「仮面の勇士」のストーリー

12年前に出奔したオスワルド・レーンはオーストラリア大戦に出征して凱旋したので村人から勇士として迎えられ母も今までの怒りを解いて快く彼を迎えたのであった。彼は兄アンドルーの家へ寄食する事になった。が持って生まれた怠け者の事とて仕事をしようとはせず兄の妻ヘスターや、この家に引き取られたベルギーの孤児マルテ等にばかり注意を向けているのであった。ある時兄が教会の基金として預かった500ドルの金をオスワルドは盗んで家を逃れたが、途中でかつて愛していた甥のアンディが通っている幼稚園が火災を起こし、幼児達が危険に瀕しているのを見て彼の中に潜んでいた英雄的侠気が勃然として目覚め、彼は火中に飛び込んでアンディを救出したが、身に重い火傷を受ける。兄の家にかつぎ込まれた時、彼は盗んだ金をもとの場所に置くようにヘスターに頼む。かくて2人の女を除いて何も知らぬ世間の人々から彼の英雄的行為は賞賛された。兄アンドルーは火傷を負った弟に皮膚移植の手術を行えば、命が助かると聞いて、進んで弟に自分の皮膚を与えた。卑怯な弟は勇士として賞賛されたが、真の勇士とはこの情に厚い兄の事ではなかろうか。かくて一家には幸福が訪れる。