「十代の誘惑」のストーリー

辻勢津子は高校三年、開放的な性格で小説をかくことに夢中である。彼女は姉と二人のアパート暮し、姉の婚約者が訪ねてくると、気をきかしたつもりで文学青年の会合に威勢よくでかけたりする。その作品が青年たちのもの笑いのタネになっているともしらずに。勢津子の級友光子は恥かしがりやの無口な娘、同級の晴彦に恋心を抱いているが、面とむかえば一言もいえない。支那そば屋の出前アルバイトを晴彦にみつけられ欝ぎこむが、相手は逆に光子への同情と、一層の愛を加えていた。学校生活最後の修学旅行、家計のつごうで参加できない光子はうかなかったが、勢津子の奔放さを懸念する姉は光子の旅費を隠密に負担し、かわりに妹の行動を見はって貰いたいとたのむ。案の条、勢津子は思いきった振舞いに光子をはらはらさせ、京都の夜の外出時間、車中で知りあった偽学生にひっかかって、門限にもおくれるしまつ。責任をかんじた光子は、晴彦に事情をはなして一緒に夜の街々を探ねまわる。勢津子は無事にかえっており、逆に遅くかえってきた二人の仲をからかうのだった。真相をしらない彼女や級友たちの誤解は帰京後、学校当局に家庭にひろがり、大きく問題化した。無実を明すためには勢津子のことを話さねばならず、二人の立場は追いつめられる。ことに内攻的な光子はあやうく生きる望みを失おうとし、家を出て城ケ島の波打際に立つ。晴彦も後を追っていた。それと知って家人や先生、級友たち--今は事情をしって無軌道な性行を反省する勢津子までがあわてふためくが、死の間際で飜意した彼らは、改めて生きる希望をかんじつつ、歩みをかえしていた。

今日は映画何の日?

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