「君知るやわが悩み」のストーリー

ニューヨーク・ブロードウェイで大評判のレヴュー「1930年の罪悪」に主演しているフィフィ・ドオレイはパリ風の奔放な藝とフランス訛の愛嬌ある唄とで人気を湧かしているが、彼女は事実はアイルランド種のヤンキー娘で稼業に似合わず生真面目で堅儀であった。彼女はコーラス・ガール時代からジミー・ウィレットと恋仲であったが、ジミーが定職を持たず賭好きの遊び人であるために彼女は彼と結婚を承知しない。百万長者のグレゴリー・パインはフィフィの舞台姿に魅せられて度々晩餐を共にすることを申込んだが、フィフィは彼を気紛れな金持の漁色家と思って断然拒絶し続けた。パインは止むなく同じ劇場に出ている女優クレーア・フロイドに頼んで計略を以てフィフィと料理店で会わせて貰ったが、意地っ張りのフィフィは矢張りパインを振ったのである。パインはフィフィの歓心を買うために今度はジミーを自分の会社に雇うことにした。ジミーはフィフィがパインに就職を依頼したものと誤解して電話で彼女に嫌味な御詫を並べた。其夜フィフィは何気なく又もやパインに酷い意地悪な仕打ちをした。翌日ジミーはフィフィを訪れてパインに一杯食わされたと告げた。其朝ジミーが会計掛の部屋に一人で居た時強盗に襲われたが、会計主任はジミーをその共犯として告訴したというのである。フィフィは前夜パインに意地悪をしたので其の返報にジミーが罪に陥れられたものと誤解してパイン邸に告訴を取上げて貰いに赴いた。パインは事件に就いては何も知らなかったがフィフィに詰問されて調べてみると、強盗はジョー・ウォーカーという男でジミーがその共犯である事は明白となったが、パインはフィフィのために告訴を取下げてやった。其朝ジミーと結婚式を挙げたばかりだったフィフィは失望してジミーを追出し離婚の手続きをして一人淋しく、華やかなレヴューの舞台へと急ぐのであった。