「刑事マディガン」のストーリー

マディガン(リチャード・ウィドマーク)とロコ・ボナーロは、スパニッシュ・ハーレム地区第23分署の敏腕刑事である。ある日2人は、ブルックリン地区の、名うてのやくざ、ベネシュのアパートに踏みこんだが、ちょっとしたすきに逃げられてしまい、そのあげく、拳銃をも奪われてしまった。署に帰った2人は、逃げたベネシュが殺人容疑者だと聞かされ驚いたが、それ以上に気になったのは、奪った拳銃を使ってベネシュが第2、第3の殺人を続けやしないか、ということだった。ところでマディガン刑事は、常に仕事第1の男で、そのために妻のジュリア(インガー・スティーヴンス)は、いつも不満だらけだった。一方、警視総監のラッセル(ヘンリー・フォンダ)は、マディガンの失敗に頭をかかえたものの、自分にもいろいろと面倒な問題がふりかかっていた。というのは、彼の親友ケイン警部が売春汚職にまきこまれたり、関係をもつ上流夫人から別れ話を持ち出されたり、黒人指導で高名な牧師から抗議されるなど、悩みはつきなかった。マディガンとロコは、72時間以内にベネシュを逮捕せよ、との厳命を受けた。2人は躍起になって聞きこみを始めた。妻ジュリアの不満が爆発点に達していると悟ったマディガンは勤務中ではあったが、彼女を連れて警察官のパーティーに行った。だが、それとほとんど時を同じくして、街頭でベネシュを発見した2人の警官が彼に射たれた。1人は即死、もう1人は重傷だった。しかもベネシュの凶器はマディガンから奪ったものだった。必死の聞きこみでベネシュの隠れ家が分かった。多数の警官が非常線をはり、マディガンとロコが踏みこんだ。体当たりで室内に入ろうとした時、マディガンはベネシュの弾をうけて倒れた。その時ロコの拳銃がベネシュの胸へ。ベネシュが倒れたことを聞いたマディガンは救急車の中で息をひきとった。彼は最後まで妻のジュリアに心を残していた。ラッセル総監が彼女を慰めようとしたが、彼女は総監を人殺しと呼んで痛罵し、夫のマディガンを返せ、と叫ぶのだった。