「極道追踪」のストーリー

東京。無為な日々に飽きた香港人留学生ベン(アンディ・ラウ)は、親友ミン(スン・ホワ)に誘われて、キャバレーに中国人の学友チョンチイ(トゥオ・ツォンホワ)と出向く。チェンチイは幼なじみの恋人タイホウ(秋山エミ)を捜し続けていた。ベンはホステスをしていた中国人女性、ティンラン(チェリー・チェン)と出会い一目ぼれするが、彼女には日本人の浅野(石田純一)という恋人がいた。暴力団松田組の一員の彼は、敵対する桜門会の組長を殺した一件で追われる身の上。やがて浅野は兄気分の原田(羅飛宇)に裏切られて殺される。彼は死ぬ間際、事件の真相を吹き込んだテープを、桜門会の石川(倉田保昭)に渡せとティンランに託す。身の危険が迫ったティンランはベンに助けを求める。石川の妹でキャバレーのママ、百合子(高沢順子)と結婚して桜門会の一員となったミンの協力を得て、ベンは何とか中国行きの密航船に乗り込む算段をつける。ところがティンランは、テープの受け渡しの現場で、やって来た松田組のヤクザたちに殺される。ベンは助けに来たミンとヤクザを襲って殺し、復讐を果たす。ミンはベンを船に乗せた直後、原田の配下の暴走族の手にかかり殺された。桜門会の石川と松田組の原田は、腹の内はともかく手を結んでいたのだ。ティンランの死亡のニュースが流れる中、ベンは海上の密航船でひとり物思いにふけり、街にはいまだに恋人のタイホウを捜しつづけるチェンチイの姿があった。