「妻の恋人、夫の愛人」のストーリー

英国を代表する劇作家フィリックス(ランベール・ウィルソン)の美しい妻として、3人の子供の母として、エレナ(アンナ・ガリエナ)は14年間を完璧にこなしてきたが、夫の浮気によって今や家庭は崩壊寸前。一方、フィリックスは駆け出しだが才能があり、何より一途に自分を愛してくれる新人女優ヒラリー(タンディ・ニュートン)を新作舞台の大役に抜擢しておきながら妻や子への愛情は絶ちがたく、まだ離婚をためらっていた。そんな時、彼の舞台『ザ・ヒットマン』に主演するために国際的な映画スターのロビン(ジョン・ボン・ジョヴィ)がロンドン入りした。色事に関しては天才的な彼は、たちまちフィリックスとヒラリーの関係を見抜き、「僕が奥さんを誘惑してあげようか?」と囁く。一度は拒絶したフィリックスだが、エレナが次第に自分を見失って突飛な行動に出るに及んで、ついにその申し出を受けた。成功祈願のパーティの席でエレナと初めて会ったロビンは前もって彼女の趣味嗜好を探り、その後、何度も偶然を装って再会する。やがて、ついにロビンに抱かれた彼女は、その日から心も外見も前向きに変わった。ある朝、エレナは夫に離婚を承諾し、計画はまんまと成功。だが、あまりに幸せそうな妻の姿に逆に罪悪感を募らせたフィリックスはロビンを憎むようになるが、ロビンはエレナを真剣に愛し始めていた。舞台初日。楽屋でロビンとヒラリーのキスを見て怒りが頂点に達したフィリックスは、小道具のピストルをロビン個人の銃とすり替え、大胆にも舞台の上で彼を殺そうとする。だが、すぐに思い直して後悔したが、銃はモデルガンだったため失敗に終わった。舞台は大成功を収め、打ち上げパーティーで4人は初めて顔を合わせる。ロビンは席上、“親友”フィリックスの次の仕事となる映画『復讐の囁き』に主演すると宣言し、さらに自分の協力でエレナが劇作家としてデビューすることを告げた。ショックの連続で、思わず笑いだすフィリックス。アカデミー賞発表の夜。プレゼンテーター(ニコール・キッドマン)が『復讐の囁き』でのロビンの最優秀男優賞を告げた時、彼の隣には輝くばかりに美しいエレナの姿があった。それをテレビで観ているヒラリーは、書斎にこもりっぱなしのフィリックスとの生活に早くも孤独を感じ、涙ぐむのだった……。