「恋する女たち(1969)」のストーリー

イギリス中部にある、暗い小さな炭坑町。小学校の教師アーシュラと彫刻家のグドルンは、知性にあふれた、若く美しい姉妹だった。この2人にはそれぞれ恋人がいた。姉のアーシュラは、町の視学をしているルパート・バーキン(アラン・ベイツ)、妹のグドルンは炭坑主の息子で、父の跡を継いだジェラルド・クライチ(オリヴァー・リード)が、その恋人であった。バーキンには過去に、貴族趣味のハーミオニ(エレナー・ブロン)という恋人がいたが、あるパーティーの夜の事件で、2人の関係は終わっていた。バーキンはジェラルドに慰めを求めたが、ジェラルドには男同士の愛が、なかなか理解できなかった。ある日、クライチ家は湖上のパーティーを開催。バーキン、アーシュラ、グドルンも出席したが、その日、新婚のバーキンの妹夫婦が溺死するという、悲劇がおきた。この衝撃で、年老いたジェラルドの父は死を早めた。このような事件に遭遇しながらも2つの愛は形造られていった。バーキンとアーシュラの愛はおだやかに、ジェラルドとグドルンの愛は残酷な情熱に支えられながら--。やがてバーキンたちは結婚。4人はスイスの雪山に出かけたが、バーキンとアーシュラは寒さを嫌い、南の方へ行ってしまった。残されたジェラルドとグドルンの愛は、徐々にくずれはじめた。そして、ホテルで知り合ったドイツの彫刻家と親しくするグドルンに嫉妬したジェラルドは、彼女をしめ殺そうとしたが果たせなかった。悩み苦しんだ彼は、1人雪の中をさまよい、疲労して倒れたまま、二度と再び目覚めなかった。彼らのもとへ戻って来たバーキンは、深い悲しみの淵につきおとされ、ジェラルドへの愛が実をむすぶことなく終わったことに、1人嘆くのだった。