「ボーマルシェ フィガロの誕生」のストーリー

18世紀。パリ。ボーマルシェ(ファブリス・ルキーニ)は、貴族社会で異彩を放つ劇作家として、また自由人としての進歩的な発言と行動で民衆にも人気があった。そんな彼に敬服し、行動を共にするようになったのが、ボーマルシェが心服していた哲学者ヴォルテールの元から来た青年ギュダン(マニュエル・ブラン)。ボーマルシェの傍には、年の離れた愛人で進歩的な女性マリ=テレーズ(サンドリーヌ・キベルラン)が常にいた。裁判官もつとめるボーマルシェは、審議中に決闘を挑んできたショールヌ公爵(ジャック・ウェベール)相手に巧みな剣捌きを見せ、またも評判を高めた。そんな風評を聞いて、国王ルイ15世(ミシェル・セロー)はボーマルシェを呼び、スパイの仕事を命じた。英国に赴いた彼は、性別不明の敏腕スパイ、騎士デオン(クレール・ヌブー)と接触、重要文書を手に入れることに成功した。前途洋々の彼だったが、手がけたフランス座で上演した『セビリャの理髪師』は失敗、さしもの彼も挫折感を味わう。ボーマルシェは彼の支持者で病床にあったコンティ公(ミシェル・ピコリ)から、同作の主人公フィガロの続編を見たいと言われるが、これはギュダンの画策だった。二人の男の友情は、ボーマルシェの度重なる浮気に怒ったマリ=テレーズが、当てつけにギュダンと一夜を明かしても、破れることはなかった。かくして新作『フィガロの結婚』は完成したが、体制批判の多い内容に許可がなかなかおりず、前途は多難。初演日。落ち着かず、居合わせた司祭(ジャン=クロード・ブリアリ)に祈りを求めるボーマルシェ。不安がこうじて逃げ出そうとしても、外には彼のファンの群衆が彼を追い返す。幕明け。公演は大成功。観客の喝采に感動するボーマルシェ、そしてギュダンとマリ=クレール。だが、その場で彼は、国王の名前で逮捕された。獄中でギュダンに新たな上演を頼む手紙を綴る彼の元に、国王からの使者が釈放を告げる。ボーマルシェは「王と議会の皆さんが『フィガロの結婚』を見てくれたら出てもいい」と言うと、不敵な笑みを浮かべた。王は拒否しなかった。だが、これが後のフランス革命の第一歩だと知る者はいなかった。

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