「ハピネス(1998)」のストーリー

ニュージャージー州郊外。良妻賢母の長女トリッシュ(シンシア・スティーヴンソン)、美貌の人気女流作家の次女ヘレン(ララ・フリン・ボイル)、そして作曲家志望ながら男運もなく三十路を越えた三女ジョイ(ジェーン・アダムス)は平凡な中流家庭に育った三人姉妹だが、周囲の男どもはかなりダメ人間。三人の両親であるレニーとモナの夫婦(ベン・ギャザラ、ルイーズ・ラッサー)にも危機が訪れている。トリッシュの夫ビル(ディラン・ベイカー)は精神科医だがなんと少年愛好者で、目をつけた息子ビリー(ルーファス・リード)の同級生の男の子をレイプして警察に逮捕される。ヘレンの隣人の肥満漢の会社員アレン(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、彼女に恋しながら想いを伝えられず、猥褻電話をあちこちにかけては自慰にふける日々。やがてレイプ体験もないのにエロティックな作品は書けない、などとスランプに陥っていたヘレンから思いがけず誘いを受けるが、ヘレンは結局彼を拒否。失意のアレンは怪しい隣人の肥満女性クリスティーナ(カムリン・マンハイム)と束の間の交情をもった。ジョイはというと、交際相手の元同僚アンディ(ジョン・ロヴィッツ)に別れ話を切り出すが、彼はその直後自殺。失意の彼女は移民相手の英会話学校の教師になるが、そこで出会った小悪党のロシア人タクシー運転手ヴラッド(ジャレッド・ハリス)にコマされてしまう始末……。一年後、両親宅で食事をとる三人姉妹の姿があった。はたして彼女たちに本当の幸せは訪れるのか、誰にもわからない。