「幸福は空から」のストーリー

ラリイ・スティヴンスは以前競馬優勝馬の持ち主であったが、今は落ちぶれていた。大晦日の夜、彼は夜会服を来て手に人参を持ち、たった1頭の所有馬「ヘクタース・バル」に会いに行った。この馬は食費未払いのため、石炭屋ジョンズイの小舎につながれていた。以前の騎手スキーターが今働いているレストランの窓から、ラリイにご馳走を与えるというので、彼が出かけていくと、ギャングのトニイが銀行から盗んだ札束を女共に振りまいていた。1人の女が怒って1000ドル札を破いて窓から投棄てたが、ラリイがその半分を拾い、後の半分を文無しの女ジュリア・ウェインが拾った。2人は札をつなぎ合わせレストランに入ってスキーターと3人で充分ご馳走にありついた。その夜彼らはラリイの部屋に泊まったが翌朝ラリイとスキーターは、銀行へその紙幣を両替に出かけた。銀行は両替をしてこっそり2人を刑事に尾行させた。ラリイは借金を払うとジュリアとスキーターを連れて石炭屋へ引き返し、来るべき競馬に自分の馬を出場させることにした。しかし持ち金は次第に少なくなるので、ジュリアは女優となり、馬には石炭車を挽かせて生活費を稼ぐ事にしたが失敗する。ヘクタース・パルに賭けた競馬ファンの中に元役者のアンソニイと銀行の出納係ベネットがいたが、彼らはその馬が石炭車を挽いているのを見て大いに驚いた。アンソニイはある演出家にジュリアを紹介してやった。演出家はラリイが彼女の後援を引き受けているものと思って彼女を主役に仕立てた。演出家は競馬の当日に成って、ラリイが芝居の後援者であることをジュリアに打ち明けた。しかし彼女はそれが不可能だと知っていたので、舞台を退く決心をしてジョンズイと共に競馬場に赴いた。場内では銀行破りのトニイ一味がラリイの身辺に迫っていた。そこへバーディ部長の指揮するGメンの1隊が来て、彼ら一味を包囲してしまう。競馬は万人の想像を裏切って、ヘクタース・パルが優勝し、お陰でラリイとジュリアは結婚する事が出来たのである。