「海猿」のストーリー

広島県呉市、海上保安大学校。ここに、潜水士を目指す14名の若きエリート海上保安官たちが、主任教官・源の指導の下、50日間に及ぶ潜水技術課程研修に挑むべくやって来た。ダイヴマスターの資格を持つルーキーの仙崎は、仲間たちと絆を深めながら、やや実力の劣る“バディ”(相棒)の工藤と共に厳しい訓練をこなす一方、街で知り合った東京のファッション誌の編集者である環菜とも不器用ながらも愛を育んでいく。ところがある休日、人命救助に向かった工藤が還らぬ人となった。ショックから立ち直れない仙崎。支えであった環菜も仕事を解雇され、失意のまま彼のもとを去った。しかし、訓練は容赦なく続き、最終実習。仙崎は、それまでライヴァル関係にあった三島と組み40mの潜行に成功するが、その時、ふたりは突然変化した潮流に流され、三島が岩に挟まれてしまう。残されたボンベはひとつ。しかも、片道分しかない。だが、仙崎はバディである三島を決して見捨てなかった。勿論、源も、仲間の訓練生たちも……。50日間の研修が終了した。仙崎をはじめとする13名の訓練生は、晴れて潜水士となった。そしてその後、東京へ戻った仙崎は、専門学校へ通い始めた環菜との交際を再スタートさせると、潜水士として新たな最前線の舞台へと向かって行くのだった。