「逆境ナイン」のストーリー

砂塵が舞い上がるグラウンドにそびえ立つ“全力学園”校舎。「廃部だーーーー!!」。校長室から響き渡る声。万年勝ち知らずの全力学園野球部キャプテンの不屈闘志(玉山鉄二)は、その名のとおり不屈の闘志を持つ男。何事にも全力を好む校長(藤岡弘)にとって、生半可な活動しかできない野球部は不要と判断される。しかし不屈は、無謀にも甲子園行きを約束する! この強気な発言に、ナインと月田マネージャー(堀北真希)は大騒ぎ。しかし、不屈の屁理屈に丸め込まれて猛練習を開始する。春の甲子園優勝校「日の出商」との試合間近、ナインが負傷やトラブルに巻き込まれるという緊急事態が! さらに、頼みの綱である不屈の右腕がひょんなことでケガを負ってしまう。しかし、天は不屈を見放さなかった。当日、日の出商キャプテン・神崎は、豪雨を理由に不戦勝を伝えにくる。この勝利に狂喜乱舞する全力ナインのあまりの図々しさに、神崎は大激怒。浮かれた不屈たちの前に、謎の男が登場する。社会科歴史の新任教師・榊原剛(田中直樹)。「野球は知らないが、人生は知っている」と、無責任ながらも説得力のある言葉を突きつける榊原。ド素人の監督という逆境をどう乗り越えるか、校長が与えたさらなる逆境だった。地区予選まで残すところ1週間となり、監督から地区予選と中間試験赤点者の補習日が同日と聞かされる。だが、それよりも不屈自身の成績がギリギリということが発覚する! まさに、自業自得! 補習を免れて迎えた地区予選第一回戦、中々学園との対決の日。月田マネージャーが注文した弁当を食べた中々学園ナインが、激しい腹痛に襲われる。後ろめたくて本気が出せなくなってしまった不屈に、監督が強烈な言葉を投げつける。「それはそれ! これはこれーーーー!!!」。その言葉に救われ、不屈は本気で戦うことができた。一方、自分のミスに落ち込むピュアな月田に、不屈は急に恋してしまう。第二回戦の手抜学園との試合当日、不屈はなんと月田を追いかけて試合放棄してしまう。恋に浮かれる不屈に、監督は“恋”か“野球”か、究極の選択を突きつける。