「あるいは裏切りという名の犬」のストーリー
パリ警視庁のレオ・ヴリンクス警視(ダニエル・オートゥイユ)とドニ・クラン警視(ジェラール・ドパルデュー)は、かつて親友であり、同じ女性カミーユ(ヴァレリア・ゴリノ)を愛した。しかし彼女はレオと結婚、以来二人の友人関係は崩れ、互いが従える部署も対立していた。パリでは現金輸送車強奪事件が多発し、その指揮官にレオが任命される。事件をずっと追ってきたドニは、ライバルに手柄をさらわれることが面白くない。そんな中、レオに情報屋シリアンから連絡が入り、大きな情報と引き換えに30分だけ行動を共にして欲しいと告げられる。そしてシリアンは、自分を刑務所に送った男をレオの目の前で殺害する。自分をアリバイに利用したことに激怒するレオだが、シリアンは、アリバイを証明するなら強奪犯を教えると言う。主犯格は、フランシス・オルンとロベール・“ボブ”・ブーランジェだ。レオの指揮下、犯人グループのアジトを取り囲むが、突然ドニが単独でアジトへ近づき、激しい銃撃戦に発展。定年間近だったレオの相棒エディが殉職する。失態の責任を問われ調査委員会にかけられるドニと、オルンを追いつめ逮捕するレオ。事件解決と出世への道を祝福されるレオを憎悪するドニは、シリアンの起こした殺人事件にレオが絡んでいることを突き止める。ドニの密告によりレオは共犯容疑で逮捕され、カミーユは良心の呵責に駆られたシリアンから連絡を受ける。二人が会っているところへドニのチームが待ち構え、逃亡劇の末にカミーユとレオは死ぬ。牢獄で妻の訃報を聞いたレオは、悔恨と悲しみに明け暮れる。7年後、刑期を終え出所したレオはカミーユの死の真相を探り始める。全てを失ったレオと、パリ警視庁長官に就任したドニ。ドニの就任パーティー会場へ向かったレオはドニと対面し、銃口を向けるが、復讐を思いとどまる。去ってゆくレオを追うドニは、かつて自分が痛めつけた男によって背後から撃たれた。その後、レオは成長した愛娘ローラと再会し、親子二人で旅へ出るのだった。