「ザンバ(1949・記録映画)」のストーリー

世界有数のアフリカ猛獣国探検家マーティン・ジョンソン氏及び同夫人オリ・ジョンスン夫人は、英領東アフリカ地方を撮影すべくアフリカ東海岸モンパサ港に上陸し、数千マイル奥のパラダイス湖畔に彼等が四ヶ年の撮影生活の本部を樹立した。そこで一行は数百の原住民や駱駝を常備し、猛獣の世界を研究し始めた。そこは1万7500フィートの高峰に白雪の載くを遠く仰ぎ、地には花咲き乱るる園があり、小鳥も囀れば、また熱帯動物の散在するも見られるという世界の楽土であった。しかし一行の最大目的は生けるライオンを探し、彼等の真の生活を写すのにあった。そして彼等は或は象の大群に逢い、或は犀の猛襲に肝を寒からしめ、或はキリン、カモシカ等の大群をカメラに納め得るなど、色々の冒険と苦心とを重ねつつ、宿都市の志望を達す可くダンガニカの湖に到着した。老原住民の教示に従い湖畔を彷徨すること数ヵ月、遂に数十匹の獅子群の自然にして殺伐、残忍なる実生活を撮り、亦数千フィート南下してラムブア藩族が酋長の家畜が獅子に殺害されたのを憤る復讐の獅子狩を企つるに遭遇して、惨憺たる人獣肉弾相博つの壮絶なる争闘場面をもカメラに納め得た。そうした事があって後、初めて彼等はナイル河の上流天国湖湖畔にまどやかな夢を結ぶのであった。