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「檸檬のころ」のストーリー
田舎の高校三年生で、吹奏楽部の指揮者である秋元加代子(榮倉奈々)は、成績優秀で、卒業後は東京の大学に進学すると決めている。野球部の西巧(石田法嗣)は、いつも加代子を見つめていた。忘れられない中学時代の淡い思いを胸に秘めながら。そんな西に、ある放課後、野球部のエース・佐々木富蔵(柄本祐)がおちゃらけて言った。「オレ、加代ちゃんのこと好きなんだ」。次第に加代子と富蔵は近付いていく。一方、加代子と同じ教室の片隅で音楽にのめりこんでいる白田恵(谷村美月)は、将来、音楽ライターになると心に決めていた。ある日、恵は自分と同じように「音楽を感じている」軽音楽部の辻本一也(林直次郎)と知り合う。偶然の、ふたりきりでの生物室の放課後清掃。「こんなに話が合うやつとしゃべったの、俺、はじめてだよ」という一也。音楽談義は盛り上がり、二人は親しくなった。急に色鮮やかに、輝いて見えるいつもの風景。心にぎゅーんとロックが鳴り響く。もうすぐ高校時代最後の文化祭だ。一也が初めて作った曲の歌詞を恵に頼んだことから、様々なドラマが動き出す。たくさんの痛みを通じてあふれ出す恵の言葉が加代子に響き、富蔵や巧にも影響を与えていく。5人それぞれの思いが交錯する中、季節は移り変わる。そして徐々に別れの日は近づいてくるのだった。