「追悼のざわめき デジタルリマスター版」のストーリー

大阪市南部、若い女性たちの惨殺事件が続発する。被害者たちは下腹部を切り裂かれ、その生殖器が持ち去られていた。犯人は廃墟ビルの屋上で暮らす孤独な青年、誠(佐野和弘)。彼は「菜穂子」と名づけられたマネキンを愛し「愛の結晶」が誕生することを夢想していた。次々に若い女性を惨殺し、奪った生殖器を菜穂子に埋め込む。やがて彼女に不思議な生命が宿り始め、様々な人間が、誠と菜穂子が暮らす「魔境」=廃墟ビルへと引き込まれていく。現実の街並みは、いつしか時間感覚を失い、傷痍軍人や浮浪者など、敗戦直後を思わせるグロテスクなキャラクターが彷徨しはじめる。純粋に二人だけの世界で生きていた幼く美しい一組の兄(隈井士門)と妹(村田友紀子)。遊びといえばケンパしかしらない。かれらもまた、菜穂子がいる廃墟へと導かれてゆく。菜穂子と産まれてくる子供のために、誠は、小人症の兄妹(日野利彦、仲井まみ子)ふたりきりで営まれる下水道清掃会社で働きはじめる。福田の妹・夏子は誠に心ひかれてデートに誘うが、路上で暴漢に襲われ、無残にもレイプされてしまう。深い絶望は、自分の醜い火傷姿が男たちに愛されたことで癒されるが、誠に、愛する「女」がいることを告白され、孤独と嫉妬に打ちひしがれる。街をさまよい、やがで廃墟ビルへ…。廃墟ビルの屋上。幼い妹は菜穂子に「母」の面影を見る。兄は、その姿に激しく「性」を感じる。そのとき、廃墟ビルに引き込まれた人々に残酷な運命が訪れる……。

今日は映画何の日?

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