「リダクテッド 真実の価値」のストーリー

2006年4月、イラクのサマラ。米軍が設置した検問所を守る兵士がいた。戦場の映像をカメラに収めて映画学校に入学しようと目論むサラサール(イジー・ディアス)、故郷に妻を残して従軍した弁護士のマッコイ(ロブ・デヴァニー)、“ファックと戦闘”に目がない貧しい南部出身のフレーク(パトリック・キャロル)とラッシュ(ダニエル・スチュワート・シャーマン)ら、いずれも若い兵士達。自爆テロや狙撃の格好の標的になる検問所の兵士達は、暑さの中、重装備を身につけ、緊張感と退屈に耐えながら任務を遂行していた。ある時、1台の車が減速の指示を無視して猛スピードで走ってくる。必死に止めようとする兵士達。だがその時、停止線を越えた車が自爆テロを仕掛けてくると見做したフレークの銃が火を噴いた。しかし、乗っていたのは産院へと急ぐ妊婦とその兄だった。フレークはサラサールに向かって平然と答える。“任務を遂行しただけさ。人を殺したらビビると思ってた。でも、魚を殺した程度だ。”6月末。いつ終わるとも知れない任務が続く。死と隣り合わせの検問所の横では、地元の少年達がサッカーに興じる日常風景が繰り広げられていた。だが、そこでスイート曹長(タイ・ジョーンズ)が捨てられていたボールに仕掛けられた爆弾で命を落とす。それを目の当たりにしたフレークは、恐怖と怒りから過激さを増してゆく。ある夜、彼らは“戦争遂行に役立つ証拠捜索”の任務で民家に踏み込み、一人の男を逮捕する。男の娘達は検問所を通って通学していたが、下心のあるラッシュはその姉に目をつけていた。7月。フレークは酒に酔った勢いで“娘の家に押し入ろう”と言い出す。サラサールは撮影を希望して同行を決める一方で、伍長のマッコイは彼らを静止する事ができない。勢いに引きずられるように、部隊は“大量破壊兵器を探すんだ”とわめくフレークとラッシュを先頭に、少女の家に向かって行く……。