「副王家の一族」のストーリー

19世紀半ば、イタリアへの統一直前のブルボン王朝支配下のシチリア。かつてのスペイン王家代理に当たる副王家の末裔で名門貴族のウゼダ家は、公爵のジャコモ(ランド・ブッツァンカ)が家長として権力を握っていた。ジャコモの母テレザ(クリスティーナ・カポトンディ)が亡くなると、彼の横暴さは助長。弟ライモンド(フランコ・ブランチャローリ)には、不倫をもみ消す代償として相続した遺産の放棄を迫り、平民の弁護士との結婚を望む妹のルクレツィア(ジゼルダ・ボロディ)には、貴族以外との結婚は認めないと言い放つ。やがて、無邪気に育った嫡男のコンサルヴォ(アレッサンドロ・プレツィオージ)も父の逆鱗に触れ、修道院へ送られる。7年後、イタリア統一を旗印に、ガリバルディ率いる義勇兵“赤シャツ隊”がシチリアに上陸する。混乱の中、コンサルヴォは修道院から脱走。無事に屋敷に辿り着いたのも束の間、彼を迎えたのは母の死だった。だが、母の死を悼むことなく、ジャコモは愛人と再婚。利己的な父に、コンサルヴォは次第に憎悪を募らせていく。ジャコモは、コンサルヴォの妹テレーザにも政略結婚を強制する。やがて時代の変化とともにブルボン王朝は崩壊。だが、貴族社会が終わりを告げても“王の治世にはウゼダ家は王の友、貧民の世には貧民の友”と公言するジャコモ。結婚に反対していたルクレツィアにも、相手が新体制下で市長になるとわかると、結婚を承諾。権力に固執するジャコモはしたたかに生き抜く。その一方で、ますます深まっていくコンサルヴォとの確執。伝統的な生き方を貫く父と、新しい時代を生きようとする息子。ジャコモが亡くなるそのときまで、2人の感情が交わることはなかった。そして、当主の座についたコンサルヴォは、一族の枠から逃れることのできない自らの運命を知り、激動の時代に一族のために何を為すべきかを見出してゆく。

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