「銃口」のストーリー

ある夜、ヨットに乗っていたギャング団のボス、ジュリオが何者かによって射殺された。その葬式の日、死者に対し異なる感情を持つ3人の男が顔をあわせた。ピーター・ガン(クレイグ・スティーヴンス)は、かつてジュリオに命を救われたことがあり、ジャコビー警部(エドワード・アズナー)にとっては殺人課の苦労がひとつ減ったわけであり、フスコ(アルバート・ポールセン)にとっては、縄ばりをそっくり受け継ぐことができる。その夜から、町ではフスコの横暴が始まった。ピーターは高級売春宿のマダム、デイジーから殺人犯を見つけたら1万ドル支払うと言われた。彼女はフスコが犯人とにらんでいるが、証拠がない。ピーターの犯人探しが始まった。と同時に、彼は常に姿なき殺し屋にねらわれるようになった。ピーターはジュリオが乗っていたヨットからライターを探しだした。そのライターは売春宿のマダム、デイジーからフスコに贈られたものだった。犯人はフスコ――とピーターも確信した。だが、おかしいのはライターを送ったデイジーも、フスコが犯人と言った点だった。調べてみると、フスコにはアリバイがあった。しかし彼は子分を使ってピーターを捕らえ、拷問のすえ、フスコが犯人ではないというアリバイ以外の確とした証拠をあげてこい、といった。ピーターは全力をあげて捜査にあたったが、ある日、またもや殺し屋に襲われ、間一髪で倒した。その殺し屋は死ぬ直前“ハリー・ロス”と名のって事件の謎をとく鍵をピーターにあたえた。その鍵とはマダム・デイジーは、実は、男だという、意外なことだった。そしてフスコと同性愛の関係にあった。ところがフスコが裏切ったので、自分でジュリオを殺し、わざとフスコのライターを置いてきて、彼を犯人らしく仕立てたのであった。なんとも奇妙な事件──と、ピーターは思うのだった。