「Gメン」のストーリー

ブリック・デーヴィスは暗黒街の顔役(1932)マッケイにさがれの如く愛されて育った男である。マッケイは無教養で環境が悪かったために悪の世界に入った自分の轍を踏ませまいと、ブリックに学資を貢ぎ、大学を卒業させた。ブリックは希望どおりに弁護士を開業したが成績は思わしくなかった。彼と同窓の親友エディーは中央政府司法省直属の警官(Gマン) となっていて、フリックにもGメンになるように勧めたが、凶悪なギャングに殺害されてしまった。これが動機でブリックはGメンになる決心をし、マッケイが経営するキャバレーへ訣別に赴いた。マッケイはこの事を寧ろ喜んでくれたが、淋しがったのはブリックを密かに恋しているダンサーのジーンだった。ワシントンに着いたブリックは部長のジェフ・マッコードとソリが合わず事々にいがみ合った。しかもジェフの妹ケイにブリックは恋を感じた。しかしケイは生意気なブリックに好意を寄せようもなかった。がブリックは出柄を立てた。彼の親友エディーを殺した下手人のギャング、レゲットをその隠れ家で生け捕りにしたのである。マッケイが足を洗って田舎の山荘に引っ込み、レゲットが年貢を納めたので、残る大物のブラッド・コリンズを検挙することとなった。ところが一味の行方は杳として絶えた。そのときコリンスの妻となっているジーンを尋問してブリックは一味が、マッケイの山荘を占領して潜んでいる事が判った。Gメンの一隊は山荘を包囲して機関銃戦を交えた。この戦いでマッケイはGメンの銃弾を浴びて倒れたが、コリンズは逃亡してしまう。その後Gメンはジーンのアパートを監視してコリンズを発見したが又もや悪運強い凶徒はブリックを負傷させ、行きがけの駄賃にジェフの妹ケイを誘拐し、高飛びを妨げるとケイを殺すと宣言した。ところがジーンはコリンズの隠れ家を訪れてケイが監禁されているのを知り、ブリックに電話で急報した。そして、裏切り者めと怒ったコリンズの銃弾を浴びた。傷をものともせずブリックは駆けつけて虫の息のジーンにコリンズの隠れ家の所在を聞き、ケイを救いに赴いた。縛されたケイは必死の努力でコリンズに体当たりを食らわせ拳銃を落とさせた。コリンズは自動車で逃走せんとして、駆けつけたGメンの十字火を浴びて最後をとげた。