「水兵さんは暇がない」のストーリー

不粋な愛情表現で同級のジョー・ヒル(エリン・オブライエン)のハートを射抜くことができず、大学を出たアル・ウッズ(A・グリフィス)は、沿岸警備隊に入隊した。訓練所を出た彼にはバーガーとオニールという悪友ができた。ボストンに派遣された3人はステラ(フェリシア・ファー)という娘に会い、アルは彼女にたちまちのぼせあがった。やがてアルはベリウィンクル号乗船を命じられ、ウルサ型炊事長レッドの下に三等炊事兵として配属された。レッドの留守中、贅をつくしてアルが作った料理に、船内の彼の声価は大いに上った。ところが上司のヒギンズが、点数かせぎに食糧費大削減をはかった。そのうえレッドがステラと結婚して輸送船護衛の任務に転属していった。炊事長の栄職についたものの、アルの心境は複雑となった。上司ヒギンズは船内の不満の声を黙殺し、料理用帽子をかぶらぬアルに髪の毛が食物の中におちると怒鳴りつけた。今は衛生兵となっている友オニールの助言をまにうけて、アルは頭をツルツルにそりあげて、玉ネギに汁とアルコールを混ぜた液体をぬりつけて、みんなから玉ネギ頭というアダ名を頂だいした。給食係ディブからヒギンズの食費ピンハネを聞いたアルは、司令部にこれを報告した。戦争がはじまり、ベルウィンクル号が海戦に加わった時、アルは、大手柄をたてた。そして、余勢をかって長距離電話でジョーに求婚し、承諾をえた。やがてアルの告訴によって、船にヒギンズの罪を調べる調査団がやってきた。しかし、今は自分の乗り組む船の名誉を考えたアルは、告訴を、とり消した。上官フォックス大尉の、潔白証明のすすめにもかかわらず、アルは休暇をもらうと、ジョーと結婚するために急いで故郷に帰ってしまった。