「弾丸特急 ジェット・バス」のストーリー

全長50メートル、重量75トン、32個の巨大なタイヤをはいた世界最初の原子力バス『サイクロプス号』が、今、ニューヨークのバス・ターミナルからコロラド州のデンバーに向けて、歴史的な処女運行にのぞもうとしている。収容乗客数180名、快適な乗客サロン、プールやボーリング場まで備えた、正に動くレジャー・ビルである。サイクロプス号を運転するのは設計者キティ(ストッカード・チャニング)の恋人のドン・トランス(ジョセフ・ボローニャ)、そしてショルダーズ(ジョン・ベック)の2人である。サイクロプス号の出発を目前に控えたコントロール・センターに、爆弾が仕掛けられた。幸い大事に至らなかったが、これは原子力を商売上の脅威とみなした国際的な石油会社グループが、その道のプロのアイアンマン(ホセ・フェラー)と彼の弟アレックスに妨害を依頼したのだった。さて、サイクロプス号はデンバーに向けてノン・ストップ試運転に出発した。主な乗客は、ファッション・デザイナーのカミール・レビィ、クレイン夫妻(サリー・ケラーマン)(リチャード・マリガン)、キュドス神父(ルネ・オーベルジュノア)、エメリー・ブッシュなどである。走りだしてすぐ、アイアンマンが仕掛けた第2の時限爆弾が爆発、ブレーキが破壊され、山道を暴走しはじめた。ダンの必死の緊急操作で、バスはやっと停止したのだが、そこは深さ10メートルの崖っぷちにシーソーよろしくひっかかってしまった。ダンは、崖からつき出た車体部分の重量を軽くするために、積んであったジュース類を全部後部へ移した。おかげでキティが危うくジュースで溺れかける騒ぎ。ダンの決死的な働きでバスはやっとハイウェイに戻ったが……。