「アンクル・トムス・ケヴィン」のストーリー

アメリカ南部のある町にシェルビー(ジャック・モワー)という情深い地主がいた。彼の使用している奴隷エリザ(マーガリータ・フィッシャー)は、ハリスという地主からシェルビー氏が借りていた奴隷のジョージ(アーサー・エドモンド・カリュー)と、シェルビー夫妻の媒酌で結婚することになった。2人の間にはハリーという男の子が生まれ、幸福に暮らしていたがジョージの主人のハリスは貪慾非道な男で、ジョージを他の女と結婚させようとしたため、ジョージは妻と愛児に悲しい別れを告げ、雪の中をカナダへ逃れて行った。ハリスは貸金の代わりとしてシェルビー氏からアンクル・トム(ジェームズ・B・ロウ)という黒奴と、ハリー少年とを奪おうとしたため、エリザはハリーを連れて逃げる。大風雪の中ハリスの猛犬に追跡されたが、エリザは流氷の危険を冒して河を渡り、危うい所をフレッチャーに救われる。しかし、悪徳弁護士マークスに謀られて、河下へ売られていく運命に。途中で愛子ハリーはマークスに誘拐され、エリザはは奴隷売買人の手に落ちてしまう。同じ船に積まれていたトムは、エヴァ(ヴァージニア・グレイ)という少女に同情され、彼女の父セントクレア氏(ジョン・ローシュ)に買取られる。だがエヴァは程なく病死し、セントクレア氏も悲しみのために死んだので、氏の財産は競売された。トムはレグリー(ジョージ・シーグマン)に買われ、彼の虐待を受ける身となったが、エリザに再会。彼女の実母が、レグリーの妾であるカッシーであることを告げる。トムはついにレグリーの鞭に打ち殺されたが、エリザとカッシーが同じ運命に陥ろうとした時、レグリーはトムの亡霊に襲われ二階から墜落死する。愛子と妻の行方を捜していたジョージは計らずもハリー(アドルフ・ミラー)に巡り会い、エリザにも再会することができた。それはちょうど南北戦争の終わった頃で、奴隷解放令が発布され、ここに初めて彼等一家に幸福がきたのだった。