「ASAHIZA 人間は、どこへ行く」のストーリー
1923年、芝居小屋兼活動写真館として『旭座』という名称で福島県南相馬市原町区に開館したその劇場は、町のシンボル的な存在として町の中心に佇み、歌舞伎・映画だけでなく、町民の発表の場として賑わった。1952年に名称を『朝日座』に改め、映画全盛の時代には年間入館者数が20万人を超えたが、テレビ放映の普及、レンタルビデオショップの増加など流通の多様化の影響を受け、徐々に入館者数は減少していく。1991年に閉館するが、その後も『朝日座を楽しむ会』が定期的に上映活動を続けている。本作は、震災以降も街に残り暮らし続ける人、街を離れて暮らす人などへ、「朝日座を知っていますか」と問いかけるインタビューや、インタビューを受けた人々や、東京からエキストラとして参加した人々が、往年の賑わいを取り戻した映画館の中でこの映画を観る一日を撮影した。一軒の映画館が繋ぎ続ける映画の記憶、街の記憶、人の記憶が甦る。