「弥次喜多女難の巻」のストーリー

欧洲大戦も既に終局に近づいた頃フランスと端西の国境防備のためアルプス山中のある町に駐屯していた米軍の一部隊にルイ・ホーズノッズと呼ぶ兵卒とロドニー・ラムスポットムという少尉とがあった。ホーズノッズルは以前料理店の給仕頭でラムスポットムはその配下の給仕だったが今では位置転倒したので少尉殿は得意満面で意張り散らした。女心は何処も同じでラムスポットム少尉にはコレットという可愛い恋人が出来たが一兵卒のルイは売残りのジェルメエヌで我慢しなければならなかった。しかしやがて休戦となり駐屯部隊は引揚げの命を受れた。別れに臨んでコレットの口から、かねて彼女に求婚している土地出身のラボリス将軍が帰郷する筈だから、誰か献身的に自分を保護してくれる人が欲しいと頼まれたラムスポットムスはホーズノッズルが最適任と考え旨を含めて彼をこの地に留まらせることにした。そこで彼はジェルメエヌの父親が営んでいる宿屋に雇われアルプスの案内者として働くことになった。戦地から愛に餓えて帰って来たラポリス将軍は土地の独身婦人は直ちに結婚すべしという命令を出し彼自らはコレットに結婚を申込んだ。コレットはそれを拒絶し、ホーズノッズルに結婚してくれと依頼状を出した。嫉妬に眼眩んだジェルメエヌからの報知に接したラムスポットムは、ホーズノッズルが裏切ったものと邪推して憤慨に駆られてやってきた。かくて行きがかり上両雄は決闘をせねばならぬ破目となり、ラポリスは漁夫の利を占めんと計った。しかしコレットの仲裁とその弁明とでラムスポットムの胸も納まり、彼とコレットとは結婚することが出来た。大役を果してホットしたホーズノッズルは厩舎に腰をおろして居睡った。