「ハザードランプ」のストーリー

3年前の悲痛な事件をきっかけに、地方都市で代行ドライバーとして働く須貝は、ある満月の夜の週末、突然やってきた新人ドライバー刈谷とコンビを組まされる。「満月の夜には何かが起こる。実際に、女子中学生が誘拐されたのも、満月の夜だった」。そんな同僚の言葉を背に仕事に向かう二人だったが、刈谷の常軌を逸した言動に、須貝は次第に不安を覚える。そんな夜、謎の人物・ズーコから呼び出された須貝は、恋人の美乃梨を失った事件について詰め寄られ、心の傷口をえぐられる。刈谷の吹く口笛にも覚えがあり、初対面だと思っていた刈谷を疑い始める須貝。様々な酔客の相手を続けるうちに、ふたりの過去が交錯していく。ハザードランプを点灯させるごとく停止していた男たちの人生が、再び動き出す。