名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN
なもなきものあこんぷりーとあんのうん A Complete Unknown
解説
ティモシー・シャラメが伝説的ミュージシャン、ボブ・ディランの若き日を演じる伝記ドラマ。1960年代初頭、ミネソタ出身の19歳の若者が、時代の寵児としてスターダムを駆け上がり、世界的なセンセーションを巻き起こしてゆく様子と、その青春の光と影が綴られる。共演は「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のエドワード・ノートン、「ティーンスピリット」のエル・ファニング、「トップガン マーヴェリック」のモニカ・バルバロ。監督は「フォードvsフェラーリ」のジェームズ・マンゴールド。
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この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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たけはち
ジェームズ・マンゴールドが、伝説的な歌手ボブ・ディランを描いた傑作と聞き、劇場上映が終わる直前に、日比谷に駆け込んだ。
音楽は好きだが、ニューウェーブ以降の英国ロックやプログレ、日本のポップスしか聴いてこなかった自分には、ボブ・ディランは「風に吹かれて」くらいしか聴いていない。しかしながら本作を観て、その一つ一つの曲の素晴らしさと歌詞の魅力に打ちのめされた。
なによりティモシー・シャラメがいい!ボブ・ディランをよく知らなくとも、彼がその伝説的な表現者を体現してることは画面の隅々から伝わってくる。DUNEを軽く超える演技を引き出すマンゴールドに感嘆した。
そして「ファイト・クラブ」以来の名演を魅せるエドワード・ノートン、成長した大人の女の魅力溢れるエル・ファニング、性格の悪さをうまく演じたモニカ・バルバロはじめ、脇を固める俳優たちの名演も素晴らしかった。
全体に伝説的な歌手の成長譚と言うよりかは、抑制された孤独なアーティストの苦悩を、けして感情的に煽ることなく淡々と、しかし時代とともに変化を余儀なくされる表現者として描ききったマンゴールドの演出は素晴らしい。
マイケル・マンと並んで、イーストウッド以後の現代アメリカ映画を牽引するその手腕は、巨匠の域に達している。4月までの時点では本年一番の映画だろう。
「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」のストーリー
1961年の冬、フォーク・ギターだけを手に、煌めきを掴むためにニューヨークへ降り立った19歳のボブ・ディラン(ティモシー・シャラメ)。恋人シルヴィー(エル・ファニング)、音楽上のパートナーであるジョーン・バエズ(モニカ・バルバロ)、そしてボブの才能を認める先輩、ウディ・ガスリー(スクート・マクネイリー)、ピート・シーガー(エドワード・ノートン)らと出会い、時代の変化に呼応するフォーク・ミュージックシーンの中で、ボブ・ディランの魅力とその歌は大きな注目を浴び、時代を動かしてゆく。やがて“フォーク界のプリンス”“若者の代弁者”として祭り上げられるが、止まることのない彼の才能とその魂は、次第に違和感を抱き始める。高まる名声に反し、自分の進む道に悩み苦しむなか迎えた1965年7月25日、ニューポート・フォーク・フェスティバル。大観衆が見つめるステージに立ったボブ・ディランの傍らにはロックバンド、そして彼の手にはエレクトリック・ギターが握られていた……。
「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」の映像
「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」の写真
「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 伝記 ドラマ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2024 |
公開年月日 | 2025年2月28日 |
上映時間 | 141分 |
製作会社 | Searchlight Pictures=Veritas Entertainment Group=The Picture Company=Range Media Partners |
配給 | ウォルト・ディズニー・ジャパン |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
公式サイト | https://www.searchlightpictures.jp/movies/acompleteunknown |
コピーライト | (C)2024 Searchlight Pictures. |
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