「Mr.レディMr.マダム2」のストーリー
南仏のニース。人気を集めるレストラン・シアターの“狂人の檻”は、この道25年というレナト・バルディ(ウーゴ・トニャッティ)が経営するオカマバー。店の人気スター、ザザ・ナポリことアルバン(ミシェル・セロー)は、同時に彼の妻である。しかし、仲むつまじい二人の仲が、最近あやしくなってきた。自分の容貌の衰えを気にしだしたアルバンが少々神経過敏になっているのだ。遂に「嘆きの天使」の配役をめぐるトラブルが原因で家を飛び出すアルバン。とあるカフェテラスで、アルバンは、何者かに追われるようにして店に入って来たハンサムな若い男に誘われ、彼のホテルに行くことになる。複雑な気持ちで緊張するアルバンの前で、しかしその男は何者かに殺されてしまった。やがて、そこにアルバンを心配して追いかけてきたレナトが現われ、その場を去る。翌日、新聞にはアルバンの写真が一面に載り、殺された男はフランス秘密諜報部員であったことを報じる。諜報部員が、敵組織の極秘の記録のマイクロ・フィルムを持っていたために殺されたのだ。諜報局のボス、ブロカ(マルセル・ボズフィ)は、早速アルバンを訪れ、そのありかを問いただすが、当のアルバンは、諜報員が死ぬ寸前に彼のソデの中に託したのを知らない。今、それはどういうわけかピル・ケースの中にあった。敵もアルバンを追求してくるだろうと予感したブロカは逆にアルバンを囮にしようと、彼に目立つ行動をとらせる。そして、アルバンとレナトの寝室にとうとう敵がのり込んでくる。必死の思いでなんとかレナトの故郷であるイタリアの村に逃げ込む二人。封建的な生活様式にやっと慣れたころ、ブロカ諜報部一家と敵組織のスパイ団もその村にやって来た。一度は敵方の人質になったアルバンもやがて戦いの末救出され、めでたく事件は解決するのだった。仲よく“狂人の檻”の生活に戻ってゆく二人……。