解説
アン・ジェリコーの舞台劇をチャールズ・ウッドが脚色、「HELP! 四人はアイドル」のリチャード・レスターが監督した新型のスラプスティック・コメディ。撮影はデイヴィッド・ワトキン、音楽は「007/ゴールドフィンガー」のジョン・バリーが担当した。出演は「蜜の味」のリタ・トゥシンハム、「戦艦デファイアント号の反乱」のレイ・ブルックス、「ナイスガイ・ニューヨーク」のマイケル・クロフォード、ほかにドナル・ドネリー、ウィリアム・デクスターなど。製作はオスカー・リュウェンスティン。“ナック”とは「熟練した技術、うまいやり方、コツ」といった意味があるがここでは、女の子をモノにしたり、カッコいいことをする“コツ”をいう。英、米国ではやった言葉。六五年度カンヌ映画祭グラン・プリを受賞している。
ユーザーレビュー
「ナック」のストーリー
ロンドン。コリン(M・クロフォード)はあるテラス・ハウスの持ち主。三階を借しているトーレン(R・ブルックス)は若い娘には人気のあるドラマーで、女の子にかけては凄腕〈ナックの持ち主〉で、ひどいときには、彼の部屋には長蛇の訪問客がある。コリンは口惜しい。羨しい。なんとか〈ナック〉をものにしようと悩んだあげく、トーレンと同じ大きなベッドを手に入れようと考えた。一階に越して来たトムの入れ知恵である。鉄屑屋でみつけたベッドはひどい代物。それでも持って帰ろうとする彼等の前に、おかしな田舎娘ナンシー(R・トウシンハム)があらわれた。美人ではないが、女に縁のないコリンにとっては天使、道案内をかって出て車輪つきのベッドを押しはじめた。この作業の面白さから三人は意気投合、家に帰ってきたが、女に目のないトーレンが見逃すはずがない。彼がバイクで連れ出してしまった。スピードによる興奮と陶酔のあまり、田舎娘は失神してしまった。コリンやトムが追いついたとき、突然目を覚すと、「暴行!」と金切り声をあげた。弁解する三人を尻目に「暴行されたワ」と街中に聞える声をはりあげて家に帰り、腰を据えてしまった。トーレンがデートに出かけたあと、コリンはなんとか彼女の感違いを正そうと一生懸命。トーレンの方はどうしたわけか、すべての女性から爪はじき。トボトボ家に帰ってみると、どう風向きが変ったのか、コリンとナンシーがお熱い夫婦きどり。どうやら〈ナック〉とは、誠実な愛情をいうものらしい。
「ナック」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ナック」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | コメディ |
製作国 | イギリス |
製作年 | 1965 |
公開年月日 | 1966年2月15日 |
製作会社 | ウッドフォール・フィルム |
配給 | UA |
レイティング | |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | モノクロ/スタンダード |
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