解説
監督のセルジオ・ゴッビはこれが四作目にあたる三十代の若手。「男と女(1966)」のクロード・ルルーシュ風に、回想場面ではモノクロにして凝った演出法をみせている。脚本は彼自身のオリジナルで共同脚本と台詞に女流ライター、ジャンヌ・クレサンジュが加わっている。撮影はジャック・ベッケル監督の遺児エティエンヌ・ベッケル、音楽はムード音楽派のロミュアルが担当。出演は「幸福」のマリー・フランス・ボワイエ、「パリは燃えているか」のピエール・ヴァネック、「太陽のサレーヌ」のピエール・マッシミほか。製作はロベール・フローラ。
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「幸福の行方」のストーリー
バルバラ(M・F・ボワイエ)は、サングラスをかけた男(P・マッシミ)に追われていた。郊外電車に逃げこみ、ちょうど乗りあわせていた文芸評論家フランソワ(P・バネック)に助けられ彼の家へ同行した。一人息子がありながら妻シモーヌと別居しているフランソワは、バルバラの誘惑的なポーズに魅せられ、以後、二人の関係は、深みにはまる一方だった。ところでバルバラは、本名シルビーという、パリのフアッション・モデルで、ヒモ同然の愛人がいた。彼女を追っているサングラスの男は、彼かもしれない。だがバルバラの過去は謎めいている。フランソワは、いっそう関心を持つようになった。そんなある日、フランソワの留守中に、息子急病の電報がとどいた。引き裂いてしまうバルバラ。だが、のちに、このことを知ったフランソワが彼女を詰問すると、彼女は嫉妬に狂ったように、シモーヌのところに行かないでと泣き叫び、そのうえ、子供に対して、なぜか深い憎しみをさえ抱いているようだった。こんなことがあった後も、二人の関係は、前よりも一層深くなっていき、一方、サングラスの男も、二人の快楽のかくれ家をつきとめつつあった。パリの出版社へ行ったフランンワは、帰りに買った新聞記事にショックを受け帰宅。サングラスの男も邸宅を訪れた。フランソワは、バルバラを彼に渡さざるを得なかった。彼女は“フランソワを愛している”と狂人のように叫ぶ。捕えられ、連れ去られるバルバラ。フランソワはじっと新聞記事を見つめていた。その記事のうえに快楽にみちた、バルバラとの美しくも短かかった激情の日々がよみがえってきた。記事は、こう書かれている。“愛児を惨殺した若き母親シルビー。精神病院を脱走。目下指名手配中”と……。
「幸福の行方」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「幸福の行方」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | フランス |
製作年 | 1967 |
公開年月日 | 1968年6月21日 |
製作会社 | パリ・カンヌ・プロ |
配給 | パラマウント |
レイティング | |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | カラー/スタンダード |
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