解説
嵐で船が難波し、無人島に漂着した男が、十二年の歳月を経て、再び人間社会に生還するまでを描く。吉村昭の同名の原作の映画化で、脚本は広沢栄と「動乱」の森谷司郎の共同執筆、監督も同作の森谷司郎、撮影は「衝動殺人 息子よ」の岡崎宏三がそれぞれ担当。
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ユーザーレビュー
「漂流」のストーリー
天明五年、冬の嵐に会った土佐の永徳丸は、あえなく難波、長平と三人の仲間が、無人の火山島に漂着した。大きな白い鳥しかいないこの島の生活は厳しく、七ヵ月後に、年長の源右衛門は死んでしまった。若い甚平衛もすぐに後を追った。音吉は土佐に恋人のお絹が待っていると信じてよく耐えた。しかし、お絹が長平と恋仲であることを知り、生きる気力を失い、崖から身を投げるのだった。残された長平は、お遍路だった母の「どんなに辛くても、一人で生きていくのよ」という最後の言葉を思い出し耐えた。白い鳥は長平の命を支えた。肉は食糧に、羽は衣服に、卵は水受けになった。九年の歳月が過ぎたとき、江戸から七人の男が漂着した。苦しい生活の中で、伊平次は由浩と争いになり、刺し殺してしまう。伊平次は生きようする仲間に、冷たい視線を向け、孤立していた。もし生還したところで、人を殺したことを仲間が喋るのでは、と思っていた。一方、長平たちは、流木を集めて船造りを始めた。船はあと一歩で完成するところまできている。そんなとき、役人へ告げ口されるのを恐れた伊平次は船に火を放った。呆然とする長平たち。そこへ、火山が地鳴を始めた。このままでは爆発し、溶岩に流される。必死に船の再建に取り組む一同。日毎に地鳴は激しさを増していく。そして、ついに船は完成した。そこへ、大波がやってきた。波に船を奪われたら生きる道はない。長平たちは、斜面を流れる船を必死で引っぱった。大波に長平たちは岩に叩きつけられ船は波打際へすべっていく。そこへ、伊平次が立ちはだかり、船は伊平次を下敷に止った。そして、寛政九年、長平は十三年ぶりに故国の土を踏むのだった。
「漂流」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「漂流」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1981 |
公開年月日 | 1981年6月6日 |
上映時間 | 151分 |
製作会社 | 東京映画 |
配給 | 東宝 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | モノラル |
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