チープな映画だ。チープというのはお金が掛かってないと言う意味では無く、話がチープで演出もチープ、脚本もチープだ。
大体、設定がアジア国際警察(APSSと言うらしい)の一員であるJ9号(二谷英明)が国際犯罪を追って香港、マカオに行き活躍する、と言うお話。まるで少年漫画の設定だ。設定が陳腐でもそれなりに頑張れば面白い映画に出来るんだけど、そんな努力が感じられない。
まず設定がチープなところで引いてしまう。浅丘ルリ子さん、こんなもったいない使い方しないで。J7号(高品格)があっという間に死んでしまう。それも安っぽい死に方で、せっかく高品格のシーンを期待していたのに退場が早すぎる。それからアジア国際警察の本部が秘密のアジトらしいけど、あんなバレバレの出入りが出来るところなんで、もし敵だったらすぐにアジトがわかるよ。で悪役中国人ジョージの設定で宍戸錠、その手下に弟の郷鍈治。兄弟揃って出演、おめでとう。で、J9号が香港に飛ぶんだけど、あのくらいの設定なら香港である必要は無いでしょ。わざわざ香港でロケする必要、何処にあったの?香港の役者を使ったから?J9号がジョージに捕まって自白剤を打たれてペラペラと身分をしゃべる。そのくせ最後の質問に答えない、あらかじめ自白剤を中和する薬を飲んでいた、と後に言う。だったら身分のところから嘘を話せよ。それからジョージの手下でJ9号を助ける男がいるけど、そんなのすぐに仲間と判るだろう。J9号の上司役を三島雅夫がやっているんで、最後の黒幕はこいつだ、とずっと思っていたのに本当にただの上司でした。
てな具合に突っ込みどころ満載の映画でした。香港、マカオにロケに行く金あるんだったら、設定を国内にしてもっと脚本練ろよな。
マカオにまで足を伸ばしているんだけど、ここで「金太の大冒険」の歌詞を思い出しちゃった。♪金太、マカオについた。きんたまかおについた。キンタマかおについた。♪