座頭市血煙り街道
ざとういちちけむりかいどう Zatoichi Challenged
解説
子母沢寛の原作を、「兵隊やくざ殴り込み」の笠原良三が脚色、「なみだ川」の三隅研次が監督した“座頭市”シリーズ第十七作目。撮影はコンビの牧浦地志。
映画館で観る
配信で観る
TVで観る
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
-
ミャーノフ大佐
前半、中盤は凡庸な映画だったが、やっぱりラストのヤクザの集団が座頭市と立ち回るシーン、そして最後の近衛十四郎との決闘シーンは息をのむ物があった。きれいだ、と思いながら観ていた。途中、途中で入るカットも絶妙だ。当然、近衛十四郎を殺すわけには行かないので、引き分けに近い形で決闘は終わるのだが。
ヤクザの親分の小池朝雄やお代官様の小沢栄太郎なんかも良いねえ。大体、座頭市映画の悪役って、本当にあくの強い演技をして印象を残してくれる。それだけ実力派を置いていると言うことでしょうが。
旅芝居一座はいらないなあ。ほとんど本筋に関係ないし。一応、顔どりを揃えるため、しかないよな。それと、ガキが良くないなあ。話の本筋に関わるんだけど、ちっとも可愛くないんだけど。母親が死んだのに、よくあんな憎たらしいいたずらばかり出来る物だ。三隅研次は子供はダメかな。
窯元の娘、やっぱり高田美和でした。可愛かったねえ。彼女、後年、日活ロマンポルノの「軽井沢夫人」に出ているよ。
「座頭市血煙り街道」のストーリー
市が最初に多十郎と会ったのは、五人のやくざに襲われた時だ。一瞬の居合斬りでやくざを倒した市を、多十郎が見ていたのだ。ある旅篭で、市は病死したおみねから、良太を預かった。おみねは夫庄吉を尋ねての旅の途中、病で倒れてしまったのだった。市は良太と共に前原にいるという庄吉を尋ねて、再び旅をつづけた。途中、旅芸人一座のともえと知り合った市は、一座が万造一家に無理難題をふっかけられた時、再び多十郎と会った。多十郎は万造一家に峰打ちをくらわせ、ともえの難儀を救ったのだった。やがて前原に着いた市は、庄吉が働いていたという窯焼きの太兵衛を訪ねたが、庄吉の行方は知れなかった。太兵衛の娘おみつは、そんな市をいたわり、良太の面倒を見てくれた。ある日、代官手附の鳥越の肩をもんだ市は、鳥越の口から庄吉の名を聞いた。鳥越は土地のやくざ権造と組んで、御禁制の金粉、銀粉を使った絵皿を、腕のいい下絵描きの庄吉を軟禁して描かせていたのだった。鳥越の帰りを待伏せた市は、庄吉の居所を聞き出そうとしたが、その時現われた多十郎が鳥越を斬った。多十郎は、鳥越たちの悪事を探るため、前原に来た公儀の隠密だったのだ。一方、万事が公儀に露見したと悟った権造は、良太とおみつを人質にして高飛びの仕度にかかった。市は、権造一家に乗り込み、得意の居合いで、彼ら一味を倒した。しかし、市が庄吉や良太、おみつを救い出した時、多十郎が現われ、役目として、悪事を手伝った庄吉を斬ると言った。市は良太のために庄吉を斬らせたくはなく、多十郎と剣を交えた。その時、多十郎の同僚が庄吉を斬ろうとし、それを市は刀を横手に投げて倒した。素手になった市を多十郎は斬れなかった。多十郎はただ一言、負けたと言い残すと、折りから降り出した雪の中を足早やに去っていった。
「座頭市血煙り街道」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「座頭市血煙り街道」のスペック
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1968年1月上旬新年特別号 |
新作グラビア 座頭市血煙り街道 日本映画紹介 座頭市血煙り街道 |
1968年2月上旬決算特別号 | 日本映画批評 座頭市血煙り街道 |