解説
この作品のレビュー
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ミャーノフ大佐
映画の出だしは「座頭市」みたいな絵だった。それが映画が進行していくうちにだんだんと眠狂四郎の映画になってくる。
今回も旅に出ている狂四郎。でも今回は面白かった。何故旅に出ているかは判らない。ただ、途中から旅の目的地が決まってくる。旅映画ではおなじみ、旅の途中途中で敵に狙われる。ロードムービーなんてそんな物、と言ってしまっては元も子も無い。エピソードを入れやすいから、脚本も書きやすいのかな。一応は、敵方に使われている回し者と言う設定にはなっているがエピソード自体が独立しすぎていて、本編との繋がりが薄い。これは狂四郎映画全体に言えることだ。それと今更なんだけど、狂四郎映画って基本エロを入れ込む映画なんだ。だってタイトルに大体"女”が入ってくるもんな。
カメラは面白い。構図もしっかりしている。老婆が住んでいるあばら屋に狂四郎が入ってくるところ、カメラは凄く低いところから撮っていて面白い効果を出している。ウェキおじさんはカメラマンの森田富士郎のカメラワークが素晴らしい、と言っていたが本当に良かった。絵がしまってくるよね。この映画が良いのもカメラによるところが大きい。
敵役を田村高廣と伊藤雄之助の2枚看板、そしてその奥の悪役が小沢栄太郎とおなじみ安部徹。役者の格からいったら阪妻の息子であり血筋の良い田村高廣でしょうねぇ。年も雷蔵より上だし。伊藤雄之助は個性派バイプレイヤー。映画の中でもきちんと役割を演じていた。そして高田美和も可愛かった。男装姿も良かったよ。
脇にこれだけの役者を置いてどんな展開になるかと観ていたがきちんと最後にまとめ上げた。眠狂四郎が地方出張の時は大体お家騒動に巻き込まれるんだけどね。
そうそう、今回も落とし穴はあったけど、今回は狂四郎は落ちないで狂四郎を騙そうとした女が落ちていった。落とし穴は後2作でも出てくるんだろうなあ。
「眠狂四郎女地獄」のストーリー
「眠狂四郎女地獄」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「眠狂四郎女地獄」のスペック
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