嵐に立つ王女

あらしにたつおうじょ
上映日
1959年8月29日

製作国
日本

制作年
1959
上映時間
78分

レーティング
ジャンル
ドラマ

check解説

高橋繁夫の原案から、「人形佐七捕物帖 鮮血の乳房」の共同脚色者・金田光夫と、土居通芳が脚本を書き、「貞操の嵐」の土居通芳が監督したメロドラマ。撮影は「怪談鏡ケ淵」の森田守。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     新東宝って、男優は宇津井健しかいないのか。何でもかんでも宇津井健が出てくる。そして女優はたくさんいるが、なんできつそうな女性ばかりなの。この映画に出ている高倉みゆきもきつそうだなあ。ウェキおじさんによると大蔵貢の妾だったとか。基本、大蔵貢の好きそうな女優ばかり揃えたんだな。私物化も良いところだ。まあ、映画監督や製作者が女優と関係を持ったり、自分の愛人を映画に出演させると言うのもよくある話だけど。女優の方も映画に出て有名になりたいばかりに、関係を持つ人も多いだろう。
     それにしても何という映画だろう。記憶喪失の王女様の記憶を回復させるために懸命に介抱する愛の映画だろうか、それとも無き王国の資金を巡るサスペンスなのか、それとも身分違いの男女の悲恋の物語なのか。
     時は日中戦争末期、おそらくはアジアの奥地にあったモンゴリアン王国が、日本が戦争に負けて王国が崩壊する。王族は逃げるが無事に逃げ延びたのか。戦中、王女の侍従をしていた山科大尉がふとしたことで街で見かけた女性がなんとモンゴリアン王国の王女ではあーりませんか。しかも彼女は記憶喪失。山科は一緒にモンゴリア王室に使えていた仲間に知らせるが、これが悪い奴等でモンゴリアン王国のスイス預金を奪い取ろうと策を練っている。王女は雷で記憶を取り戻し、海外亡命していたモンゴリアン王族がやってきて王女とともに王国復興をめざす。でも、王女と山科は相違相愛、でも許されぬ愛。そこに山科が務める会社の社長の娘(大空真弓)がからんできて。
     設定が荒唐無稽なのは許すとして。でも、想定が満州国だから、当時中国が強かったら大反対をしただろう。あの王国資金の横取りしようとしていた2人組がアホ過ぎてサスペンスにもならない。かといって悲恋物としても描き足りない。一体何がしたいの?なんかフィルム撮って上映すれば客が入った時代だから、こんなんでも客は入ったのかなあ。
     それにしても新東宝の映画タイトルってどうして映画の内容とかけ離れているんだろう。どこが「嵐に立つ王女」なの?
     唯一、まだきれいだった大空真弓を観られたことが拾いものかな。

「嵐に立つ王女」のストーリー

弓枝は銀座裏の化粧品売りだ。実は、もとモンゴリア王国の王女芳蘭だった。自身は過去の記憶を失っていた。山科はやっと彼女にめぐりあえた。--終戦の時、王国は亡び、王は死に、日本軍中尉山科が、王女を守って落ちのびて以来である。山科は彼女の病気をなおそうと努力した。侍従武官時代の同僚・南原と松村は王女の健在を知ると王国のスイス銀行の財産を狙おうとした。彼らは弓枝に王女にふさわしい物腰や知識を教えこむ。スイスから一週間後に真偽をたしかめに調査員がくるはずだった。山科は彼らから弓枝を離し、静養させた。南原らは白紙委任状をつくり、弓枝にサインをさせ、国王の信任厚かった佐竹中将未亡人にあわせようとした。が、弓枝は、約束の時間に現われず、失敗した。彼女は山科を追って東京を離れていた。彼女は彼を愛していた。地位も財もほしくなかったという。--調査員が来日した。山科たちの仕えた王国の康殿下だった。弓枝は山科のいる湖畔で落雷をうけ、そのショックで過去の記憶をとり戻していた。殿下は彼女とのスイスでの結婚と彼女の王国遺産継承を発表した。王女は山科への恋があきらめられぬ。いよいよつのった。山科に電話で救出を求めた。山科は断りきれなかった。出かけようとした時、彼を愛していたますみという社長令嬢が自殺を計り、危篤だと知らせてきた。彼を呼びつづけていると。これも断れなかった。彼はますみの方へ行くことを選んだ。王女は一睡もせず待っていた。そして山科をあきらめた。王女の帰国の日、ますみは山科に見送りをすすめた。それを聞入れぬ山科も、アパートの部屋で王女の愛を誓う置手紙を見つけた時、羽田へ必死で駈けつけたという。王女はすでに機上にあった。話し合うこともかなわぬ。王女は涙ながらに手を振り、機は飛び去った。

「嵐に立つ王女」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「嵐に立つ王女」のスペック

基本情報
ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1959
公開年月日 1959年8月29日
上映時間 78分
製作会社 新東宝
レイティング
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ シネスコ

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1959年8月下旬号 日本映画紹介 嵐に立つ王女