解説
昭和初期の熊本を舞台に、愛憎がうずまく料亭を巡って一人の女胴師の活躍を描く任侠アクション。脚本は「極道の妻たち 最後の戦い」の高田宏治が執筆。監督は「226」の五社英雄。撮影は「利休」の森田富士郎がそれぞれ担当。
ユーザーレビュー
「陽炎(1991)」のストーリー
抜けるような真夏の下、見事な菩薩の刺青を背にする洗い髪の女がいた。女の名はりん。女胴師である彼女を人は“不知火おりん”と呼んだ。ある日、大阪の難波政組の依頼を受けてそこに向かったおりんは、偶然義弟の市太郎に出会う。両親亡き後、若旦那として熊本・二本木の料亭・八雲を切り盛りしているはずの市太郎だったが、今や岩蔵が率いる岩船一家に店を乗っ取られ、博奕打ちと芸者が徘徊する色と欲の悪臭に満ちた場に成り下がっていた。そして、おりんは二度とまたぐことのないと思っていた八雲の敷居に足を踏み入れた。女将の千代春は動揺し、またそこには20年前のおりんの実父のかたきでもある岩蔵の胴師・常次郎がいた。そんなおりんの出現をいぶかしがる岩蔵の元に難波政組の親分・政吉が祭りの花会に出席するという知らせが届く。そしてその胴師の名には“城島りん”と明記されていた。勝負が始まってほどなく、積み込まれた花束はおりんの目の前を次々に通り過ぎ、常次郎の前に置かれた。中休み、常次郎は20年前のことを思い出しながら、おりんに声をかける。その眼は愛しい者をとらえるかのようにやさしかった。やがて勝負はヤマ場を迎え、おりんと常次郎の一騎打ちとなった。異様な緊張と静寂の中、勝利の女神はおりんに微笑んだ。しかし、それによって岩蔵は怒り、おりんや市太郎に刺客が向けられるのだった。旅芝居の一座にかくまわれていた市太郎とその恋人・小芳は、千代春が仕組んだワナによってあっけなく殺されてしまう。それを知ったおりんは激しい怒りに体を震わせながら、ダイナマイト片手に岩船一家へ殴り込みに行く。そして、常次郎の助けもあり、おりんは死闘の末、岩蔵を討ち取るのだった。
「陽炎(1991)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「陽炎(1991)」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | アクション |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1991 |
公開年月日 | 1991年2月9日 |
上映時間 | 106分 |
製作会社 | バンダイ=松竹第一興行 |
配給 | 松竹 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1991年2月上旬号 |
グラビア《Coming Attractions》(新作紹介) 不思議惑星キン・ザ・ザ 外国映画批評 みんな元気 グラビア《Coming Attractions》(新作紹介) 彼女たちの舞台 特別企画 異色の映画作家たちとその新作研究 彼女たちの舞台 グラビア《Coming Attractions》(新作紹介) 陽炎 特集 陽炎 五社英雄 インタビュー |
1991年3月下旬号 |
日本映画批評 昭和鉄風伝 日本海 日本映画紹介 陽炎 |
1991年4月上旬号 |
試写室 スキンレスナイト 日本映画批評 陽炎 |