You Tube の新東宝【公式】チャンネルで観ました。入江たか子没後30年追悼と銘打って流していましたが、入江たか子って知ってます?入江若葉のお母さん。と言っても入江若葉を知らないか。入江若葉は大林映画によく出ていたよね。そして入江たか子は「時をかける少女」で上原謙との老夫婦役で出ていましたね。ちなみに娘の若菜は原田知世のお母さん役。溝口健二から化け猫映画女優と馬鹿にされていたけど、溝口ももっと敬意を払えよな。どちらも死んでしまっているけど。
主役は木暮実千代。彼女もどちらかというと悪役のイメージの女優だったが、この映画では主役で、戦後の女性の活躍を演じている。
この映画、意外と拾いものだった。まず、戦後すぐの兜町証券取引所の風景が見られたことだ。それと製作が1951年でしょ。昭和26年でまだまだ戦後復興の最中だろうけど、東京の中心はもうビル街になっていたんだ。当時の株取引が立ち会いと黒板で株価を表示していたこと、また証券会社の仕事風景が興味深い。これだけでも観る価値ありだ。そうそう、当時、オープンリールだけどもうテープレコーダーがあったんだ。
もう完全に女性映画でした。関西の金持乗っ取り屋が東京の証券会社の乗っ取りを謀り、あわよくばその証券会社の未亡人の社長(入江たか子)を妾にしようとしているスケベじじいと、木暮実千代演じる浅沼と女社長が株取引を介しながら対決していく映画です。当時でよくこんな題材の映画を撮ったなあ、と拍手をおくります。木暮実千代も入江たか子も良かったよ。どっちかと言えば、入江たか子派かな。主人公が女性でなくても面白い映画だったと思う。新聞記者が出てきたり、箱根のフィクサーが出てきたりで、ストーリーが複層的になっていて面白かった。これに女性が活躍するんだから面白いに決まっている。
ラストのラブシーンはご愛敬かな。