孔雀の園

くじゃくのその
上映日
1951年1月3日

製作国
日本

制作年
1951
上映時間
70分

レーティング
ジャンル
ドラマ

check解説

「宗方姉妹」に次ぐ児井英生プロの製作。原作は、小説公園掲載の丹羽文雄の小説「東京の薔薇」。脚色は「肉体の暴風雨」の館岡謙之助、監督は、「東京のヒロイン」の島耕二である。配役は、「帰郷(1950)」の木暮実千代、「処女峰」の二本柳寛、「決闘の河」の宇佐美諄、「東京ファイル212」の大谷伶子、その他入江たか子、香川京子、柳永二郎、日守新一などが主なるものである。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     You Tube の新東宝【公式】チャンネルで観ました。入江たか子没後30年追悼と銘打って流していましたが、入江たか子って知ってます?入江若葉のお母さん。と言っても入江若葉を知らないか。入江若葉は大林映画によく出ていたよね。そして入江たか子は「時をかける少女」で上原謙との老夫婦役で出ていましたね。ちなみに娘の若菜は原田知世のお母さん役。溝口健二から化け猫映画女優と馬鹿にされていたけど、溝口ももっと敬意を払えよな。どちらも死んでしまっているけど。
     主役は木暮実千代。彼女もどちらかというと悪役のイメージの女優だったが、この映画では主役で、戦後の女性の活躍を演じている。
     この映画、意外と拾いものだった。まず、戦後すぐの兜町証券取引所の風景が見られたことだ。それと製作が1951年でしょ。昭和26年でまだまだ戦後復興の最中だろうけど、東京の中心はもうビル街になっていたんだ。当時の株取引が立ち会いと黒板で株価を表示していたこと、また証券会社の仕事風景が興味深い。これだけでも観る価値ありだ。そうそう、当時、オープンリールだけどもうテープレコーダーがあったんだ。
     もう完全に女性映画でした。関西の金持乗っ取り屋が東京の証券会社の乗っ取りを謀り、あわよくばその証券会社の未亡人の社長(入江たか子)を妾にしようとしているスケベじじいと、木暮実千代演じる浅沼と女社長が株取引を介しながら対決していく映画です。当時でよくこんな題材の映画を撮ったなあ、と拍手をおくります。木暮実千代も入江たか子も良かったよ。どっちかと言えば、入江たか子派かな。主人公が女性でなくても面白い映画だったと思う。新聞記者が出てきたり、箱根のフィクサーが出てきたりで、ストーリーが複層的になっていて面白かった。これに女性が活躍するんだから面白いに決まっている。
     ラストのラブシーンはご愛敬かな。

「孔雀の園」のストーリー

五味証券は、亡夫のあとをついで妻の幾子が女社長におさまり切りまわしていたが、社運は傾く一方であった。大阪北浜のボス山崎が乗り出して、自分の腹心渋川誠介を専務にすえてから、会社はようやく活気を取りもどすようであった。しかし聡明な婦人相談部の浅沼紀代は、渋川の就任は五味証券乗っ取りの第一歩であると見抜いていた。ある日東都新聞の記者瓜生は、女カメラマンの副島ルミをつれて、女性の新職業インタビューに五味証券を訪れ、紀代の知性美にひかれると共に、渋川に油断のならぬものを感じた。やがて山崎の上京によってその陰謀は具体化して来た。彼は幾子に五味証券の共同経営をせまるのだった。しかし紀代は渋川に接するに従って、彼が案外国人間味のある男であることを理解してきた。が、幾子から山崎の申し出に対する対策を相談されたとき、一身を投げ出しても五味証券を救おうとして、単身箱根にいる財界の巨頭岡島泰三を訪ね、融資に成功した。一方、新聞社から山崎の動きをつけることを命じられた瓜生は、箱根までそのあとを追って行って、偶然、岡島と紀代の姿を見て、これをひそかに写真に納めた。山崎は紀代のため第一策に敗北したので、こんどは渋川に命じて、五味証券の株を買い占めさせようとしたが、渋川は山崎の命にそむいた。そして、五味証券を去って大阪へ帰ることにした。その送別会の席へ、瓜生がとび込んで来て、写真を証拠に紀代が、純潔を棄てて岡島を抱き込んだのだといいがかりをつけようとしたが、渋川は紀代はそんな女ではないと断言して、紀代と再会を約しながら、東京をあとにしたのであった。

「孔雀の園」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「孔雀の園」のスペック

基本情報
ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1951
公開年月日 1951年1月3日
上映時間 70分
製作会社 新東宝=児井プロ
配給 新東宝
レイティング
カラー/サイズ モノクロ

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