解説
この作品のレビュー
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ミャーノフ大佐
「青春デンデケデケデケ」は芥川賞を取った小説で、当時、話題になっていた。大林がこれを映画にしたと言うことで少し驚いた記憶がある。そして映画を観て、傑作という印象が残っている。特に、女の子との海水浴デートのシーンは良く憶えている。
今回、改めてみて、やっぱり良い映画だ。原作がもともと懐かしい少年時代を描いているのだろうが、きちんと大林映画になっていて、感動を届けてくれる。なんか懐かしく、ほんわりとして、暖かい映画だ。間違いなく大林映画の最高傑作の一つである。ベンチャーズに始まるロックにハマってバンドをやる男の子達の、あの年頃しかない友情とかも懐かしいよなあ。それに対比するように宣伝カーで流れる歌謡ポップスも良いよねえ。時代感を感じるねえ。カメラは手持ちでどんどん動いて、それでもうるさくなくて。ある意味、大林のメジャーになる前の実験映画の成功とも思える。ロリータ趣味の大林にしては、女の子が主人公ではなく、高校生の男の子が主人公だが、その男の子の視点で、若い男が描く女の子に対する、間違えれば妄想になってしまいそうな憧れが上手く表現されている。やっぱり海水浴のシーンは良いよね。男の子なら絶対そうなるって。
主人公を演じた林泰文は、この頃よく映画に出ていた記憶があるけど、最近は見ないなあと思っていたらTBSドラマ「VIVAN」に出てましたね。バンド仲間で寺の息子を演じた大森嘉之って、良い存在感だったんだけど、その後、寡聞にして活躍を知らない。バンド仲間で浅野忠信が出ていたのにびっくり。今と違って、若い時はきれいな顔してたんだなあ。脇で大林組の役者も含めて、たくさん出ていて、贅沢だよな。
そうそう、「青春デンデケデケデケ」を読む時は映画で発音しているとおりです。これは当時、原作者が読み方はこうだ、といっていたのを聞いたからです。
ところで、ちょっと関係ない話をします。2008年製作のアメリカ映画で「アイズ」という作品があります。この映画は台湾=タイ製作の2001年の「the EYE アイ」という作品のリメイクとのことですが、このストーリー、大林作品でメジャー2作目の「瞳の中の訪問者」と似ているのですが(大こけて2週間で打ち切りになったとのことbyウェキおじさん)。で、「瞳の中の訪問者」は手塚治虫のブラック・ジャックの1つの挿話なんですが(片平なぎさ主演でブラックジャックが宍戸錠)。これ、パクられたんとちゃう?
「青春デンデケデケデケ」のストーリー
「青春デンデケデケデケ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「青春デンデケデケデケ」のスペック
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