解説
エルモア・レナードの原作をハルステッド・ウェルズが脚色、「襲われた幌馬車」のデルマー・デイヴスが監督した異色西部劇。撮影監督は「夜の乗合自動車」のチャールズ・ロートン・ジュニア、音楽は作曲が「ピクニック」のジョージ・ダニング、指揮を「女ひとり」のモリス・W・ストロフがとった。主演は、「辺境の掠奪者」のグレン・フォード。「愛欲と戦場」のヴァン・ヘフリン、「襲われた幌馬車」のフェリシア・ファー。
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
寡聞にして、この映画知らなかった。
初見で面白かった。なかなかの心理劇でもあり、緊張感を持ちながら観ることが出来た。列車の時間までというのは「真昼の決闘」と同じような設定で、列車の時間が近づくにつれて、それまでに悪党たちと闘う仲間が次々と抜けていく、というところも似ている。違うのは、この映画では、ラストで列車にたどり着くまでのシーンが山場となっている。
ギャングのボスを列車に乗せるダン(ヴァン・ヘフリン)が主人公かと思うが、クレジット順では悪役ボスのベン・ウェイド(グレン・フォード)が主人公らしい。簡単に女を口説いて、女がなびくのがちょっと安易かな。それと後半ラストに近いあたりでダンの妻が追いかけてくるのは意味がわからない。ストーリー上どういう必要があるのだろうか。ラストはグレン・フォードに花を持たせる、っていうところ?あっ、それとダンが実は銃の名手だった、というところももっと見せてほしかった。
出演している役者が少し薄いかな。当時としては一流どころをそろえたのかな。今観るとグレン・フォードの一枚看板に見える。あと、監督のデルマー・デイヴスも知りませんでした。作品を観ると、そこそこの作品を作っているのね。
「決断の3時10分」のストーリー
広々としたアリゾナ荒原--そこを行く駅馬車が今日も襲われた。襲ったのはウェード(グレン・フォード)一味。彼らは家畜の群を使って駅馬車を止め兇行を働くのが常だった。折しもこの光景を目撃したのは貧乏牧場主のダン(ヴィン・ヘフリン)であった。しかもかの家畜が兇行に使われていた。だが悪漢一味に手出しはできない。ダンの一家にはもっと切実な問題が控えていた。旱魃のため大事な家畜が死に瀕している。ウェード一味はビスビイに到着していた。一方ウェードは酒場の女エミイ(フェリシア・ファー)に一目でひかれた。そのころ保安官はダンと出会い、ウェードが駅馬車強盗の首領であることを知った。彼はまずダンを町にやってウェードと話合わせ、そのすきに難なく逮捕した。が、牢獄のあるユマまでウェードを護送するには、彼の子分たちの眼を逃れなければならない。そこで保安官の代りにダンともう1人が護送の役目を買って出た。2人はまずウェードを町まで連行、ホテルの1室に監禁した。この町の停車場からユマ行の汽車が出るのは3時10分、発車までまだ2時間もあった。いらいらするダン。しかもその間にウェードの子分プリンスが仲間を集めてダンの前に現れた。ダンは襲ったらウェードの命はないと一味に警告した。ウェードはまた逃がしてくれたら1万ドルやろうという。その上、妻がここへ訪ねてきて、危険なこの仕事から手を引いてくれと哀願する。さすがのダンもこれには動揺した。が、仲間がプリンスに殺されるやダンの心は決まった。ダンはウェードの背に拳銃を擬しつつ遂に汽車に乗せることに成功した。ユマへの列車が速度を増すころ大粒の雨が降り出した。ダンの顔に喜びの笑みが浮んだ。
「決断の3時10分」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「決断の3時10分」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 西部劇 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1957 |
公開年月日 | 1957年9月28日 |
上映時間 | 92分 |
製作会社 | コロムビア映画 |
配給 | コロムビア |
カラー/サイズ | モノクロ |
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