「誕生日はもう来ない」のストーリー
人通りのない街角。車で出かけようとしたバーナデット(L・ドナルドソン)は、一瞬のうちに後部座席にひそんでいた何者かによって惨殺された。以来彼女の姿を見た者はいない。彼女は、裕福な生従が集まる名門私立高校、クロフォード学院の特に優秀な者たちが集まった“トップテン”と呼ばれるグループの一員だった。同じくこのグループの一員のバージニア(メリッサ・スー・アンダーソン)は、楽しく学園生活を送っていたが彼女には暗い過去があり、その時のショックで少し精神に異常をきたしていた。その過去とは4年前の彼女の誕生日のこと。パーティが準備されたにも拘らず“トップテン”のメンバーは誰一人として来ない。母親のエステル(シャロン・エイカー)は酔ってわめきたてる。その直後雨の中、車で出かけた二人は、開閉橋にはさまれ、運転席にいた母はバージニアに逃げるようにと叫ぶと水の中に消えていった。それ以来時々幻覚をおこすようになり、精神科の医師ファラディ博士(グレン・フォード)の治療を受けるようになっていた。そしてバージニアの18歳の誕生日が近づいたころ、たった一人の家族である父親ハル(ローレンス・デーン)は、誕生日には帰ってくるといって出張してしまった。たった一人残されるバージニア。失踪事件はさらに続き、彼女の誕生日の日までに“トップテン”のメンバーが5人まで姿を消した。バージニアの幻覚は日増しに悪化していた。誕生日の朝は、4年前と同じように激しい雨が降っていた。その日、約束どおり父親が帰ってきた。しかし、バージニアの姿はなく、庭にある離れに入り、そこで恐ろしい光景を目にする。失踪していた少年たちがミイラ化してテーブルを囲んでいるのだ。そして中に混っていたバージニアが突然、手にした刃物で父親の首を切った。しかしそれはバージニアのマスクをかぶったアン(トレイシー・ブレグマン)だった。トップテンのメンバーであるアンは、実の父親の愛人がバージニアの母であり、バージニアが異母妹であることを知り復讐を企てたのだった。その場に来たバージニアは、自己防衛のためアンを殺した。血のしたたる刃物を手に茫然としている彼女の前に警官が殺到するのだった。