解説
1960年から70年代にかけて、先鋭的な言葉と写真によって既存の写真表現を否定した写真家・中平卓馬。1977年、パーティーで酔いつぶれて昏睡状態になり、その後意識を回復したものの、過去の記憶をいっさい失う。それからふたたび写真を撮り始め、現在も精力的に活動を続ける彼の姿を記録したドキュメンタリー。監督は、現代の東京を代表する写真家として広告、雑誌などで活躍するホンマタカシ。2016年12月10日からの『ホンマタカシ ニュードキュメンタリー映画 特集上映』では、追加ショットを加え上映。
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ユーザーレビュー
「きわめてよいふうけい」のストーリー
映画は冒頭、中平卓馬が自身の日記を音読するシーンからはじまり、画面にはその日記が全面に映しだされる。日記を朗読する細く低くしわがれたその声は、ほとんど聞き取ることが不可能なほどだが、不確かな「今日」をひとつひとつ確かめる呪文のように、続いていく。そして、そのきりきりと尖っている文字は、切れ切れの「生」をかろうじて繋いでゆくかのようだ。しかし、そこに映っているのは、一見、おそろしいほど穏やかに毎日を繰り返す中平卓馬の「日常」だ。起きる。食事をする。日記を書く。写真を撮る…。今日が終わり、明日が始まり、また今日になる。そのエンドレスな日々を、ホンマタカシホンマタカシは飽くことなく、むしろ、日々驚き愛おしむように、そのカメラを向けてゆく。沖縄で、水を得た魚のように話し動く中平卓馬。森山大道が語る、あの頃の中平卓馬。自分の写真を丁寧に丁寧に説明してゆく中平卓馬。自転車を漕ぐ中平卓馬…。ゆらゆらと動き、切れ切れのか細い声で話し、柔らかに笑いかける。細くて小さいけれど、その全存在でまるで何かと闘いつづけているかのようである。
「きわめてよいふうけい」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「きわめてよいふうけい」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2004 |
公開年月日 | 2004年6月5日 |
上映時間 | 40分 |
製作会社 | リトルモア |
配給 | リトル・モア=スローラーナー(製作協力:オシリス) |
レイティング | |
公式サイト | http://betweenthebooks.com/ |