解説
第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞したこうの史代の同名コミックを映画化。広島への「原爆投下」が二人の女性のふたつの物語をつなぎ、様々な愛の形を描き出していく。監督は『チルソクの夏』『半落ち』『出口のない海』の佐々部清。出演は田中麗奈、麻生久美子、吉沢悠、中越典子、堺正章、他。
ユーザーレビュー
「夕凪の街 桜の国」のストーリー
『夕凪の街』原爆投下から13年後、昭和三十三年の広島。平野皆実(麻生久美子)は復興の進んだ街で母のフジミ(藤村志保)と暮らしていた。ある日、皆実は会社の同僚である打越(吉沢悠)からの愛の告白を受けるが、皆実には原爆で家族を失い、自分だけが生き残ったことが心に深い傷となって残っていた。父や妹のことが頭から離れず、自分だけが生き残ったことに負い目を感じてしまい、打越との幸せを心から受け入れられない。それでも打越は真摯に愛し、皆実も気持ちが動き始める。しかし突然、皆実の体に原爆症が現れはじめる。『桜の国』半世紀後の平成十九年、夏の東京。石川七波(田中麗奈)は最近父親の旭(堺正章)が挙動不審であることを心配していた。ある夜、自転車で出かけていく旭を追っていくと、駅で切符を買い求めていた。その姿を見ていた七波は、小学校時代の同級生である東子(中越典子)と久々に再会し、二人はさらに旭の後を追う。電車から長距離バスへと乗り換えた旭の行く先は広島だった。七波は旭の立ち寄る土地や会う人々を遠目から見ているうちに、亡くなった祖母のフジミや叔母の皆実へ思いをめぐらせる。また、東子は七波の弟である凪生(金井勇太)と交際しており、両親からは被爆者の末裔であることを理由に関係を反対されていた。旭と共に自らのルーツと向き合う七波、原爆がもたらしたものをその目で見つめていく東子。二人は広島で、平和の尊さや生きることの喜び、様々な愛情の形を確かめていく。
「夕凪の街 桜の国」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「夕凪の街 桜の国」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2007 |
公開年月日 | 2007年7月28日 |
上映時間 | 118分 |
製作会社 | 「夕凪の街 桜の国」製作委員会 |
配給 | アートポート |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
2020年8月下旬号 | 戦後75年特別企画 現代(いま)につなげる戦争の映画 「夕凪の街 桜の国」 |
2008年4月上旬号 | 今月のおすすめDVD 「夕凪の街 桜の国」 |
2007年8月上旬号 |
作品特集 「夕凪の街 桜の国」 佐々部清[監督] インタビュー 作品特集 「夕凪の街 桜の国」 作品評 作品特集 「夕凪の街 桜の国」 原爆を描いた映画 |
2007年8月下旬号 | 劇場公開映画批評 夕凪の街 桜の国 |