解説
強大な権力を握った男に翻弄されたある家族の悲劇と告発を描く一大叙事詩。1987年カンヌ国際映画祭審査員特別大賞受賞作。監督はグルジア映画界の巨匠、「希望の樹」のテンギズ・アブラゼ。出演は『ミミノ』のゼイナブ・ボツヴァゼ、「名もなきアフリカの地で」のメラブ・ニニゼなど。2018年8月、岩波ホールにて再上映。
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「懺悔(1984)」のストーリー
なれた手つきで教会をかたどったケーキを作る一人の女性ケテヴァン(ゼイナブ・ボツヴァゼ)。傍らの男が新聞を広げ、素晴らしい人が亡くなったと叫ぶ。そこには一人の男、ヴァルラム・アラヴィゼ(アフタンディル・マハラゼ)の写真が載っていた。彼はケテヴァンが幼かった頃から、市長であり、偉人として崇められていた人物だった。ヴァルラムの葬儀には多くの人が参列し、彼の息子アベル(アフタンディル・マハラゼ)は周囲から父をたたえる言葉をかけられる。翌朝、アベルは妻の叫び声で目を覚ます。庭に出ると、墓から掘り起こされたヴァルラムの遺体があった。墓が暴かれる事件はその後2度続いたため、墓はアベルとその息子トルニケ(メラブ・ニニゼ)、そして警察によって厳重に監視された。しばらくして轟く銃声。トルニケが発した弾が犯人の肩に命中、取り押さえられた犯人はケテヴァンだった。法廷にケテヴァンは自信に満ちた姿で現れ、自らの行為を認めつつも、掘り起こしたことは罪ではないと主張、心の奥底に封印していた過去を語り始める……。当時8歳だった彼女は、画家である父サンドロ(エディシェル・ギオルゴビアニ)と美しい母ニノ(ケテヴァン・アブラゼ)と共に幸せな生活を送っていた。しかし、政治的、文化的にも明晰な理念を持つサンドロが、文化遺産である老朽化した教会の修復をヴァルラムに申請したことを機に、生活に不穏な空気が忍び寄る。そんなある日、鎧を纏った男たちが現れ、サンドロは連行される。何者かが彼を無政府主義者だと告発したのだ。残されたニノは夫の無実を訴えるが相手にされず、消息も分からぬまま知人や友人も次々に粛清されていく。そして遂に、ニノも逮捕された……。法廷でケテヴァンは、ヴァルラムの罪を糾弾する。彼女への非難の怒号が渦巻く中、トルニケだけは動揺を隠せなかった。彼は自分の家族が犯した罪を知り、アベルを責め立て、その後、祖父の形見の猟銃で自殺する。アベルは自らヴァルラムの遺骸を掘り起こすと、崖から谷底深くに放り投げるのだった。
「懺悔(1984)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「懺悔(1984)」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | ソビエト(グルジア) |
製作年 | 1984 |
公開年月日 | 2008年12月20日 |
上映時間 | 153分 |
配給 | ザジフィルムズ |
レイティング | |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | カラー/スタンダード |
音量 | モノラル |
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