解説
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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89bubble93
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ミャーノフ大佐
クリント・イーストウッドのハリウッド版「許されざる者」のリメイク。どうせリメイク物は本作を上回ることは出来ないし、これを日本を舞台に置き換えること自体、無理があると思っていた。だから期待していなかったし、観るのも後回しにしていた。が、見終わって、日本版リメイク完璧。
ウェキおじさんによると李相日がワーナー側に頼み了解を得て製作したとのこと。
クリント・イーストウッドの後年の映画は、哀感のある映画が多くみられ、それが好きだ。この映画も原作以上に哀感を漂わせた映画となっている。この映画全体に漂わせる哀感がなんとも言えず引き込ませる。特にラストは原作と違っていて、そこがまた良いんだなあ。脚本も原作の西部劇を明治維新後の北海道に設定して、よく話がきちんと成り立っている。日本版の脚本を李相日一人で書いているが、よくここまで日本版に出来た物だ。もともと、明治維新後の北海道に興味があったのかな。一朝一夕でここまで翻案出来るとは思わないのだが。
そして絵作りもしっかりしている。細部にまで気を遣った演出で時代背景が違和感ない。冬の雪景色での撮影なんか役者たち大変だったろうなあ。まあ、台詞回しがちょっと堅かったり、鷲路村のセットがちょっと現実的でなかったりというのはあるが。お金もずいぶんかかっている。
役者も渡辺謙、佐藤浩市という個性が対峙し、それに個性的なバイプレイヤー達が脇を固めている。これにもし役所広司が入ればもう最高になってしまう。小池栄子が良い味出しているねえ。もともと嫌いなんだけど。あの眼の大きさが際立っていて画面を引き締めている。
李相日という監督は学生時代の「青〜chong〜」も「BORDER LINE」も面白かったしデビューから5作目の「フラガール」で国内賞総ナメにして、寡作ながらどれも完成度の高い作品を作っている。もっとたくさん映画を撮ってほしい。
「許されざる者(2013)」のストーリー
「許されざる者(2013)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「許されざる者(2013)」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ アクション |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2013 |
公開年月日 | 2013年9月13日 |
上映時間 | 135分 |
製作会社 | ワーナー・ブラザース映画(制作プロダクション 日活=オフィス・シロウズ) |
配給 | ワーナー・ブラザース映画 |
レイティング | PG-12 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
公式サイト | http://wwws.warnerbros.co.jp/yurusarezaru/ |
コピーライト | (C)2013 Warner Entertainment Japan Inc. |
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