解説
ヴェネツィア国際映画祭2015マジックランタン賞、ソッリーゾ・ディベルソ賞受賞のヒューマンドラマ。マニラの路上で暮らす孤児の少女ブランカは、母親をお金で買うことを思いつく。歌が得意な彼女は、盲目のギター弾きピーターから歌で稼ぐ方法を教わる。監督は、「モンゴル」で映画スチール写真を担当し、本作が長編監督デビュー作となる長谷井宏紀。ブランカ役にYouTubeがきっかけで本作に出演することになったサイデル・ガブデロ、ピーター役に実際に街角で流しの音楽家として活動していたピーター・ミラリのほか、ほとんどの出演者が路上でキャスティングされた。
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
ユーザーレビュー
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如庵
「BLANKA」2017年; 長谷井宏紀監督のフィリピン舞台のイタリア映画。
「目を背けてはならない」と思いながら、生まれながらの貧困ゆえに、身も心も荒んでいく子供達をみるのは、正直辛かった。ギター弾きピーターを父と慕うブランカ、そのブランカを姉と慕うセバスチャン。この3人のホームレスの疑似家族のピュアな心根に救われ、癒される。ブランカ役サイデル・ガブデロの無垢な演技は出色で、最後のシーンの彼女の表情は忘れ難い。それにしても、そんな少女を人身売買し、屁とも思わない恥知らずな大人。何か狂っている社会で、人との絆や思いやる優しさについて、深く考えさせられた。
「ブランカとギター弾き」のストーリー
孤児の少女ブランカ(サイデル・ガブデロ)は、窃盗や物乞いをしながら路上で暮らしていた。ある日、有名な女優が自分と同じ境遇の子供を養子に迎えたというニュースをテレビで見ると、“お母さんをお金で買う”ことを思いつく。そのころ、行動を共にしていた少年たちがブランカに意地悪をして、彼女のダンボールでできた小さな家を壊す。全てを失い、途方に暮れたブランカは、流れ者の盲目の路上ギター弾きピーター(ピーター・ミラリ)と出会い、彼に頼み込んで一緒に旅に出る。ブランカは辿り着いた街で“3万ペソで母親を買います”と書かれたビラを貼り、その資金を得るため盗みを働く。ピーターはブランカに歌でお金を稼ぐ方法を教える。ピーターが弾くギターの音に合わせてブランカが歌うと、街行く人々が足を止めた。二人はライブ・レストランのオーナーに誘われ、ステージの上で演奏する仕事を手に入れ、屋根のある部屋で暮らせるようになる。ブランカの計画は順調に運ぶように見えたが、彼女の身には思いもよらぬ危険が迫っていた……。
「ブランカとギター弾き」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ブランカとギター弾き」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | イタリア |
製作年 | 2015 |
公開年月日 | 2017年7月29日 |
上映時間 | 77分 |
配給 | トランスフォーマー |
レイティング | PG-12 |
アスペクト比 | 16:9 |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
音量 | 5.1ch |
公式サイト | http://transformer.co.jp/m/blanka/ |
コピーライト | (C)2015-ALL Rights Reserved Dorje Film |
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