解説
自分の意志と無関係にある日突然、悪魔の種子を背負わされた女の悲劇を描く。製作総指揮はアイヴァン・ライトマンとアンドレ・リンク、製作はジョン・ダニング、監督・脚本はデビッド・クロネンバーグ、撮影はレネ・ヴェルジェ、音楽はアイヴァン・ライトマン、特殊メイクアップ効果はバード・ホランドが各々担当。出演は「グリーン・ドア」のマリリン・チェンバース、フランク・ムーア、ジョー・シルヴァー、ハワード・リシュパン、ジュリー・アナ、スーザン・ローマンなど。
ユーザーレビュー
「ラビッド(1977)」のストーリー
ローズ(マリリン・チェンバース)と恋人のハート(フランク・ムーア)は、カナダの田園地帯をオートバイを飛ばし、スピード感を満喫していたが、予期せぬ不幸な交通事故に遇い、ハートは軽い骨折、ローズは腹部に重傷を負った。近くの整形外科病院にかつぎこまれたローズは早速手術をうける。新しい治療法を売り物にしている院長ケロイド(ハワード・リシュパン)は火傷したローズの腹部の皮膚の移植を行う際、『中性化処理』を施すことにした。1カ月後、昏睡からさめたローズは通りかかった患者に裸身のまま抱きついた。次の瞬間、その患者は激痛を感じる。その後、ローズは農夫、若い女など次々に襲う。ローズを診察したケロイド医師は、ローズの左腋の下の異様なものに気がつく。傷口のような亀裂がパックリと口をあけていて、その中の筋肉が動いているのだ。ローズがケロイドに抱きついた瞬間、その亀裂から筋肉が突起し、ケロイドの体に突きささった。移植手術の結果の異変で、ここから他人の血を吸いとるだけが唯一の栄養補給法という体になってしまったのだ。ローズはひとまずモントリオールの女友達のミンディ(スーザン・ローマン)のアパートに世話になる。同じころ、彼女に血を吸われた者達が次々に事件を起こしていた。TVは新種の狂犬病『ラビッド』の発生を告げた。咬みついたあと、本人もすぐ死ぬ。凄惨な光景がモントリオール市のあらゆる所にくり広げられた。ついに、感染者は発見されしだい射殺されていく。モントリオールに戻ってきたハートはミンディのアパートのドアをあけ、信じられない光景を見る。ローズがミンディの血を吸っていたのだ。泣きながら外にとび出していったローズから少したって電話がかかってきた。本当に自分が『ラビッド』の病源なのかを実験しているというのだ。見知らぬ男のアパートで、男の血を吸い、発病を待っていたのだ。電話の最中、ローズは血を吸いたい欲望を感じ、そこで自分が病源であったことを知る。助けを求めたローズだったが、街に出たところを特殊任務部隊によって射殺されてしまう。
「ラビッド(1977)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ラビッド(1977)」のスペック
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