解説
落ち目の劇作家が、教え子の傑作戯曲を我が物にしようと殺人計画をたてて…。どんでん返しにつぐどんでん返しの複雑な構成のミステリー。アイラ・レヴィンの書いたヒット舞台劇(78年2月26日にブロードウエイのミュージック・ボックス・シアターで初日をあけ、82年6月13日に終了)をエグゼクティヴ・プロデューサーのジェイ・ブレッソン・アレンが脚色し、「評決」のシドニー・ルメットが監督している。製作はバート・ハリス、撮影はアンジェイ・バートコウィアク、音楽はジョニー・マンデルが担当。出演はマイケル・ケイン、クリストファー・リーヴ、ダイアン・キャノン、アイリーン・ワース、ヘンリー・ジョーンズなど。日本版字幕は岡枝慎二。カラー、ビスタサイズ。1982年作品。
ユーザーレビュー
「デストラップ 死の罠」のストーリー
劇作家シドニー・ブリュール(マイケル・ケイン)は、新作の不出来に頭を痛める。プロデューサーは文句をいうし、おまけにTVで酷評された。これで4作続けての失敗だ。かと言って、妻のマイラ(ダイアン・キャノン)の金で食わしてもらうのはプライドが許さない。昨年、大学で彼が演劇について講議した時の生徒クリフォード・アンダーソン(クリストファー・リーヴ)から、自作の戯曲死の罠が送付され批評を乞うて来た。一読したところ、意外な結末、軽妙な会話、適当に笑わせ、ケチのつけようがない。マイラはその青年と協力して作品を手直しして、2人の名で発表したらと提案する。だが、シドニーはクリフォードを殺し、戯曲を自分1人の名で発表するのだといい出す。クリフォードに電話し、数カ所手直しした方がよいと話し、イースト・ハンプトンの自宅に呼ぶ。この時、シドニーはクリフォードが独身で、戯曲を書いたことを誰も知らず、コピーもとってないことを聞き出す。やって来たクリフォードに言葉巧みにもち掛けて手錠をはめ、首を絞めるシドニー。シドニーの身体をかたづけて、ほっとしたところへ近所に注む霊媒のヘルガ・テン・ドープ(アイリーン・ワース)が尋ねて来た。そして、クリフォードがすわっていた所へ行くと、痛みを感じると言い出したので、2人は不安になる。その夜、泥だらけの男が侵入して来た。それはなんと死んだはずのクリフィードだった。恐怖におののくマイラは持病の心臓発作のために死亡。シドニーとクリフォードはぐるだったのだ。キスをする2人。以後、クリフォードは秘書というふれこみで同棲し、脚本を書き始める。様子を見に来た弁護士ポーター・ミルグリム(ヘンリー・ジョーンズ)の話では、妻の遺産は一千万ドルぐらいだろうという。クリフォードの脚本はなんとマイラ殺しをアレンジしたものだった。へルガがまたやって来て、クリフィードは危険な男だと警告して去る。夜、外では雷の音がものすごい。クリフィードに銃をつきつけるシドニー。だが、クリフォードは弾丸は抜いてあるといい、実弾の入っている銃をかまえ、手錠をかけると、荷物をまとめるために2階にのぼっていく。その隙にシドニーは手錠をはずすと、弓を構え、おりて来たクリフォードを矢で射つ。停電したので、邸内は暗い。そこへ現われたヘルガ。「あなたがあぶないと思ってたら、元凶はあなただったのね」というヘルガに襲いかかるシドニー。次の瞬間、それは舞台で演じられている芝居に変わる。まだ息のあったクリフォードとシドニーが、斧とナイフで殺しあう。観客たちは大拍手。その様子をみているヘルガとポーター。「すごいヒットだ。おかげで私も一財産できる」というと、ポーターはヘルガと抱き合う。劇場の外にある看板には、デストラップ死の罠ヘルガ・テン・ドープ作と書かれていた。
「デストラップ 死の罠」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「デストラップ 死の罠」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | サスペンス・ミステリー |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1982 |
公開年月日 | 1983年9月23日 |
製作会社 | ワーナー映画作品 |
配給 | ワーナー映画 |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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