国境の夜想曲
こっきょうのやそうきょく NOTTURNO
解説
「海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~」のジャンフランコ・ロージ監督によるドキュメンタリー。イラク、シリア、レバノン、クルディスタンの国境地帯を旅し、圧政や侵略などにより多くの犠牲者を出す地で生きる人々の痛みとその先にある希望を映す。第77回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門正式出品作品。第33回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門上映作品(映画祭題「ノットゥルノ/夜」)。山形国際ドキュメンタリー映画祭2021コンペティション部門正式出品作品。
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この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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「国境の夜想曲」のストーリー
名匠ジャンフランコ・ロージ監督は3年以上の歳月をかけ、イラク、クルディスタン、シリア、レバノンの国境地帯を、通訳もつけずにひとり旅をする。この地域は2001年の9.11米同時多発テロ、2010年のアラブの春に端を発し、侵略、圧政、テロリズムにより、数多くの人々が犠牲になっている。監督は、そんな幾多の痛みに満ちた場所に残された母親や子供、若者の声に耳を傾け続ける。戦争で失った息子を思い哀悼歌を歌う母親たち、ISIS(イスラム国)の侵略により癒えることのない痛みを抱えた子供たち、政治風刺劇を演じる精神病院の患者たち、シリアに連れ去られた娘からの音声メッセージの声を何度も聞き続ける母親、夜も明けぬうちから家族の生活のため、草原に猟師をガイドする少年、……。そこには、夜の暗闇から一条の希望を見出し生きようとする者達の姿があった。
「国境の夜想曲」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「国境の夜想曲」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 社会派 戦争 |
製作国 | イタリア フランス ドイツ |
製作年 | 2020 |
公開年月日 | 2022年2月11日 |
上映時間 | 104分 |
製作会社 | 21 Unofilm=Stemal Entertainment=Rai Cinema |
配給 | ビターズ・エンド |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
公式サイト | https://bitters.co.jp/yasokyoku/ |
コピーライト | (C) 21 UNO FILM / STEMAL ENTERTAINMENT / LES FILMS D’ICI / ARTE FRANCE CINEMA / Notturno NATION FILMS GмвH / MIZZI STOCK ENTERTAINMENT GвR |
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