ロイ・ビーン

ろいびーん
上映日
1973年10月27日

製作国
アメリカ

制作年
1972
レーティング
ジャンル
西部劇

check解説

19世紀末、無法のはびこるテキサスにさっそうと登場した西部の名物男ロイ・ビーンの活躍を描く。製作はジョン・フォアマン、監督はジョン・ヒューストン、脚本はジョン・ミリアス、撮影はリチャード・ムーアが各々担当。出演はポール・ニューマン、エヴァ・ガードナー、ヴィクトリア・プリンシパル、アンソニー・パーキンス、ステイシー・キーチ、タブ・ハンター、ロディ・マクドウォール、ジャクリーン・ビセットなど。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • 89bubble93

  • ミャーノフ大佐

     なぜだか公開時の邦題を「殺し屋判事ロイ・ビーン」と記憶している。日本側の輸入・配給元が公開する前に「殺し屋判事」をつけていたのか、映画雑誌で見た記憶がある。
     脚本はハリウッドでもタカ派で有名なジョン・ミリアスだが、映画自体は面白くしてくれている。で、監督はジョン・ヒューストン。ジョン・ヒューストンなら間違っても駄作はないでしょう。
     映画の最初のクレジットから楽しそうな映画を想像させる。時代背景が1890年代と、それから20年後の1910年代。テキサスが石油ラッシュになる時代だから、「ジャイアンツ」の10年ほど前の時代だ。アメリカというのは1900年代初頭までは、まだ西部劇がまかり通っていた。アメリカの時代の移り変わりがわかって面白い。映画はコメディタッチで描かれていて、もっといわゆる西部劇しているかと思ったけど、やっぱり1890年代になるとオールドスタイルの西部劇ではなくなってくるんだなあ。それでも絞首刑や娼婦や、それにジョン・ヒューストン演じる熊飼いの流れ者や、いかがわしい弁護士屋が登場してきて賑わしく、楽しく観た。ラスト30分くらいから1910年代の街になって、そこで銃撃戦が始まるのだが、ここにお金をかけているなあ。そして全部燃やしていくんだから。
     ジョン・ヒューストンは出たがりの監督なのか、結構いろんな映画出ているけど、「ジョーズ」をパクった「テンタクルズ」ってゴミ映画にも出ていて、この映画、役者は往年の大スターがたくさん出ている(ちなみに私はこのゴミ映画を観ている間に大学の部室が燃えて悔しかった想い出があります)。閑話休題。そのほかにも、エヴァ・ガードナー(もう老けていた)、ロディ・マクドウォール(「猿の惑星」)、アンソニー・パーキンス(「サイコ」)、それにジャクリーン・ビセットなど、そうそうの役者が出ている。ジャクリーン・ビセット、きれいだなあ。

「ロイ・ビーン」のストーリー

1890年、テキサス。ペコス川の西には法律も正義もない。あるものといったら暴力と無秩序とガラガラ蛇と・・・。今日も1人の流れ者が悪党どもの罠に落ちた。薄れてゆく意識の中で復讐を誓った。われに帰った時、メキシコ人の少女が心配そうに彼の顔をのぞき込んでいた。流れ者は彼女から拳銃を借りると、悪党どもがたむろする酒場へとって返し、見事な拳銃さばきで全員を射殺してしまった。流れ者は次の日から判事ロイ・ビーン(ポール・ニューマン)と名乗り、町に居すわった。彼が改造した酒場は法廷を兼ね、壁には大女優リリー・ラングトリーの大きなポスターをはりつけた。5人の助手を雇い入れ、ビーンは実業家としても大をなしていった。黒人殺しのサム・ドップス(タブ・ハンター)のようなケチな悪党から、奇妙な殺し屋バッド・ボブ(ステイシー・キーチ)まで、ビーンは一切を容赦しなかった。そんな彼の生活にも、時として静かな時間が流れる事があった。1番最初、彼を助けてくれたメキシコの少女マリー(ヴィクトリア・プリンシパル)と、暮れなずむテキサスの荒野を散策する時、悪名高い“判事ロイ・ビーン”はそこにはいない。通りすがりの山男からもらったバカでかい黒熊がその日からビーンの友人兼ボディガードになった。ある日、金縁の眼鏡をかけ、3揃いの背広を着た男が町にやってきた。彼は弁護士のガス(ロディ・マクドウォール)と名乗り、ビーンが土地を不法占拠していると抗議した。ビーンは取りあわず、ガスを黒熊のオリに閉じ込めた。その夜、酒場に殺し屋が忍び込み、黒熊が殺された。時ならぬ銃声に集まってきた町民の中にガスの顔もあったが、ビーンが無事なのを知るとそそくさと帰って行った。ロイ・ビーンの身辺は急に忙しくなった。マリーが妊娠し、リリー・ラングトリー(エヴァ・ガードナー)がサン・アントニオにやってきたのだ。彼にとって、あらゆる美と理想の象徴である大女優リリーに一目あいたかった。マリーにはげまされ、通信販売のタキシードを着てサン・アントニオに。だがなんたる事だ。切符は売り切れ、楽屋から入れてやるという男にだまされ、ハダカにされる。雄図むなしく町に帰ったビーンは、マリーの臨終に立ち会わねばならなかった。彼女が息を引き取る時、枕元で鳴っていたのは前々から欲がっていたオルゴール。曲はいつかビーンが夕陽を浴びて口ずさんだ“テキサスの黄色いバラ”だった。彼は悲しみより怒りに燃えていた。隣町から呼んだ医者が飲んだくれ、間に合わなかったのだ。ビーンは自ら医者を絞首台に運ぶ。と、その時ガスが現われた。「留守の間に私が町長に選ばれました。吊るし首は殺人罪ですぞ」。ビーンは馬に飛び乗るとわき目もふらず町を出て行った。それから20年、マリーの忘れ形見ローズ(ジャクリーン・ビセット)は、突然町へやってきた父親と名乗る老人に会った。彼はかつて部下だったという5人の男たちを連れて町をじゅうりんした。ローズが父ロイ・ビーンを見たのはその日が最初で最後だった。

「ロイ・ビーン」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「ロイ・ビーン」のスペック

基本情報
ジャンル 西部劇
製作国 アメリカ
製作年 1972
公開年月日 1973年10月27日
製作会社 FAP作品
配給 東和
レイティング
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
カラー/サイズ カラー/スタンダード

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シナリオ ロイ・ビーン
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