ミッキー17の映画専門家レビュー一覧

ミッキー17

「パラサイト 半地下の家族」で第72回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞、第92回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4冠を達成したポン・ジュノが、ハリウッドで手掛けたエンターテインメント大作。人類発展を掲げる巨大企業の下、ミッキーは、命を落とすたびに新たな身体で再生する究極のミッションに就くが……。出演は「THE BATMAN-ザ・バットマン-」のロバート・パティンソン、「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」のナオミ・アッキー、「ミナリ」のスティーヴン・ユァン。
  • 映画評論家/番組等の構成・演出

    荻野洋一

    MCU的マルチバースで惰眠を貪るアメリカ映画を全否定する映画である。ポン・ジュノは今回、「パラサイト」と「グエムル」を合体させ、何度も殺されては蘇生させられる最下層の男の悲哀と反撥の火種を通じて、映画人たちが胡座をかくマルチバース的全能感を告発し、さらにはファシストを打倒するため、いま一度、黒人女性のリーダー像を擁立する。第二次トランプ政権の誕生を予知した上で、「スターシップ・トゥルーパーズ」的ニヒリズムと戯れていればよい時代の終焉を宣言したのだ。

  • アダルトビデオ監督

    二村ヒトシ

    中盤までふざけまくってて面白かったが、肝心の「何が揃えば〈私〉になるのか」ってハードな哲学がどっかにいき、16回死んでも残ってた罪悪感を分身がぬぐうセラピー的よくある話になったのが惜しい。シリーズ化できぬものを金かけて作る心意気は買えるが、つい「インターステラー」と比べちゃうな。あっちのほうが男のロマン臭かったのにSFギミックの使いかたが上手で、謎に感動させられたよね。それにしても今後ハリウッドはトランプをいつまで風刺できるのか。がんばり続けてほしいのだが。

  • 著述家、プロデューサー

    湯山玲子

    再生医療の極致である「生き返り」が可能になった世界で、そういう存在が重宝されるのは、人体実験だろうなぁ、という悪い予想そのままの主人公が、運命を案外淡々と受け入れるやるせなさ加減には、さすがこの監督ならではの、弱者のリアル描写とブラックユーモアが光る。しかし、後半になるとそのテイストが失速。主人公の敵となる宇宙船の支配者夫婦の描き方が、カリカチュアされすぎだし、先住者であるデカい芋虫系生物の在り方も紋切り型で凡庸な勧善懲悪劇になってしまった。

  • 映画評論家/番組等の構成・演出

    荻野洋一

    MCU的マルチバースで惰眠を貪るアメリカ映画を全否定する映画である。ポン・ジュノは今回、「パラサイト」と「グエムル」を合体させ、何度も殺されては蘇生させられる最下層の男の悲哀と反撥の火種を通じて、映画人たちが胡座をかくマルチバース的全能感を告発し、さらにはファシストを打倒するため、いま一度、黒人女性のリーダー像を擁立する。第二次トランプ政権の誕生を予知した上で、「スターシップ・トゥルーパーズ」的ニヒリズムと戯れていればよい時代の終焉を宣言したのだ。

  • アダルトビデオ監督

    二村ヒトシ

    中盤までふざけまくってて面白かったが、肝心の「何が揃えば〈私〉になるのか」ってハードな哲学がどっかにいき、16回死んでも残ってた罪悪感を分身がぬぐうセラピー的よくある話になったのが惜しい。シリーズ化できぬものを金かけて作る心意気は買えるが、つい「インターステラー」と比べちゃうな。あっちのほうが男のロマン臭かったのにSFギミックの使いかたが上手で、謎に感動させられたよね。それにしても今後ハリウッドはトランプをいつまで風刺できるのか。がんばり続けてほしいのだが。

  • 著述家、プロデューサー

    湯山玲子

    再生医療の極致である「生き返り」が可能になった世界で、そういう存在が重宝されるのは、人体実験だろうなぁ、という悪い予想そのままの主人公が、運命を案外淡々と受け入れるやるせなさ加減には、さすがこの監督ならではの、弱者のリアル描写とブラックユーモアが光る。しかし、後半になるとそのテイストが失速。主人公の敵となる宇宙船の支配者夫婦の描き方が、カリカチュアされすぎだし、先住者であるデカい芋虫系生物の在り方も紋切り型で凡庸な勧善懲悪劇になってしまった。

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